(「コニカミノルタHP」より)
コニカミノルタホールディングス(HD)は、2013年4月1日付で純粋持ち株会社を廃止する。複写機など情報機器のコニカミノルタビジネステクノロジーズ、薄型ディスプレー用フイルムなど機能材料を扱うコニカミノルタアドバンストレイヤーなど、7つの事業会社を吸収合併し、社名をコニカミノルタに変更する。
「意思決定を迅速化して、新規事業に人材などを機動的に配置できるようにする」と持ち株会社廃止の理由を述べている。
コニカミノルタHDは03年8月、カメラ・写真用フィルムメーカーのコニカ(旧・小西六写真工業)が株式交換によりカメラ・複写機メーカーのミノルタを完全子会社になったのを機に発足した。持ち株会社の下に情報機器、オプト(光学)、カメラ、フォトイメージング、計測機器の各事業会社をぶら下げた。
06年に一眼レフのカメラ事業をソニーに売却して、両社の創業以来の商品だったカメラや写真フイルムから撤退。事業の取捨選択を進め、中核の事務機事業を強化してきた。
現在、複合機やデジタル商業印刷機など、事務機事業を手掛けるコニカミノルタビジネステクノロジーズが連結売上高の70%を占めるまでになった。
両社の創業事業であるカメラから撤退し、事務機器に転換する過程で持ち株会社は必要だった。10年かけて統合作業が完了したので、持ち株会社の役割は終ったということだ。
さて、製紙業界では持ち株会社制度をめぐり、業界のトップ2社が、まったく逆の対応をしている。王子製紙が新たに持ち株会社制度を導入し、日本製紙グループ本社は従来採用してきた持ち株会社制度の廃止を決めた。
王子製紙は10月1日、各事業部門を分社化、それらを束ねる王子ホールディングスを設立して持ち株会社制に移行した。各事業における責任の明確化や経営のスピードアップを図るのが狙いだとしている。
これに対して日本製紙グループ本社は、13年4月1日付けで持ち株会社制を廃止する。事業子会社の日本製紙を存続会社として持ち株会社を合併して、社名は日本製紙となる。同時に、グループ傘下にある一部の事業会社も吸収合併することで重複を解消する。コスト削減が狙いだと説明している。
日本製紙グループ本社は01年、日本製紙と大昭和製紙の経営統合に伴い、持ち株会社化と分社化を進めてきた。10年以上続いてきた持ち株会社を“卒業”するわけだが、会社側の狙いを額面通り受け取る向きは少ない。