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日本製紙グループ本社の12年3月期の最終損益は416億円の赤字で、人員削減や設備削減のリストラの真っ最中にある。株式市場では「持ち株会社をやめるのは、日本製紙の赤字をほかの事業会社との合併によって消す苦肉の策ではないか」と勘繰られる始末だ。
97年の独占禁止法改正で持ち株会社が解禁され、00年の商法改正で会社分割制度が導入されたことから、持ち株会社化に移行することがブームとなった。ひところ、「持ち株会社あらざれば上場会社の資格なし」といわんばかりの勢いだったが、最近は沈静化してきた。
持ち株会社制度を廃止した会社は少なくない。国際石油開発帝石ホールディングス→国際石油開発帝石、ミサワホールディングス→ミサワホーム、富士電機ホールディングス→富士電機、オークマホールディングス→オークマ、JVC・ケンウッド・ホールディングス→JVCケンウッド、マネックス・ビーンズ・ホールディングス→マネックスグループなど。
持ち株会社制度の廃止に踏み切るのは、持ち株会社に事業子会社をぶら下げる体制が二重権力の温床になり、屋上屋を架す弊害がわかってきたからだ。
これからは、持ち株会社化と持ち株会社廃止が同時並行的に進む。どちらの体制を選択しようと、株式会社は利益を出さなければ意味はないのだが……。
(文=編集部)
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