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上場”狂騒”裏で、結局Facebookは損or得した?

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上場"狂騒"裏で、結局Facebookは損or得した?の画像1IT業界で常に話題の中心にいる
FacebookのザッカーバーグCEO。
(「ウィキペディア」より)
 FacebookのIPOが大きな話題を呼んでいます。IPO前のお祭り騒ぎから一転、史上最悪のIPOとの声も聞かれます。上場したてのFacebookですから、IPOだけが同社の命運を決めるわけではない。しかし、どの企業においても、ひとつの大きなマイルストーンとして、IPOが今後に大きな意味を持たないはずはありません。Facebookが、このIPOで何を手に入れ、何を手放したか、について、一連の報道をちょっとまとめてみました。

The Price Is Right: Facebook Closes Near Opening Price – All Things D(5月18日)

 まず、FacebookのIPO初日は、とりあえず難なく過ぎたと言えるでしょう。報道陣が同社を取り囲んだ当日、38ドルのIPO価格は一時45ドルを上回ったものの、終値は38.23ドル。もちろん、50ドルから90ドルという予想もあったのだが、公開価格を維持すれば合格という報道もあります。しかし、当日、NASDAQのシステム障害でトレードができなかったり、波乱の幕開けになりました。

フェイスブックIPOめぐる対応でMスタンレー調査も、株価は続落 – REUTERS(5月22 日)

 騒ぎが大きくなったのは、22日のロイターの報道。主幹事を務めたモルガン・スタンレーが、IPO直前にFacebookの売上高見通しを引き下げていたこと、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスもロードショー期間中に業績予想を修正したと報じました。顧客である一部の投資家にだけこの修正が先に知らされたと、後で問題に……。

Facebook Has Lost About $35 Billion In Value Since IPO As Shares Dip Below $29 – TechCrunch(5月29日)

 5月29日、Facebook株はついに30ドルを割ります。この時点で、同社の時価総額は上場当日の1150億ドルから790億ドルに落ち、5日のうちに300億ドル以上を失ったことになります。30ドル割れの理由としては、上記の予測修正問題のほか、プットオプションがコールオプションを上回ったこと、アナリストが、Facebookの第2四半期の予測を下げたこと、また、第3四半期も軟調と予測したこと、さらに、Facebook Phoneを投資家がリスクと受け止めたことが、「TechCrunch」には記されています。

米フェイスブックIPO騒動でしぼんだITバブルの気運 – AFP(5月28日)

 Facebookの株価下落が、もっと根本的なところにあることを指摘するコラム。90年代ドットコムバブルと比べ、投資家は慎重になっていること。また、同じSNSでも、LinkedInのような堅実なビジネスモデルは人気があり、さらに、Appleなど実質的に利益を稼ぎ成長している会社には投資家が殺到することなどが論じられています。

フェイスブックのIPOを巡り投資家が集団訴訟 – Computerworld(5月24日)
米フェイスブック株が安値から急反発、オプション取引も膨らむ – REUTERS(6月1日)

 フェイスブックのIPOを巡り投資家がFacebook社、CEOのZuckerberg氏、また引き受け証券である投資銀行に対して集団訴訟を起こしました。最安値をつけた翌日31日から反発に転じました。しかし、Facebookに対しては、危機管理委員会を設置せよとの指摘もあり、訴訟もあり、下方修正もあり、今後の動向がまったく予想できず……です。

BusinessJournal編集部

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