内閣府は1日、2024年1~3月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)を下方修正し、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.7%減(従来0.5%減)、この成長が1年続いた場合の年率換算で2.9%減(同1.8%減)と発表した。GDPの基礎統計である「建設総合統計」を国土交通省が訂正したことを反映し、公共投資などの数値が下落。2四半期ぶりのマイナスは変わらなかった。
修正の結果、公共投資は前期比1.9%減(同3.0%増)に下落、住宅投資が2.9%減(同2.5%減)に減少幅を拡大した。統計訂正の影響で、公共工事や住宅のリフォームの出来高に関する推計値が低下したため。内需の柱である個人消費は0.7%減で横ばいだが、低迷が続いている。
このほか、23年4~6月期以降の実質GDPも下方修正され、23年度の成長率は前年度比1.0%増(同1.2%増)に下振れとした。三菱総合研究所の堂本健太研究員は、「日本経済の23年度後半以降の弱さは従来の想定以上となった」と指摘。24年度の成長率もこれまでの予想より低下するとの見通しを示した。
建設総合統計を遡及(そきゅう)改定した場合、通常は次回の四半期別GDP速報値発表時に反映させる。今回は一部企業の回答に誤りが判明したため、6月10日に公表した1~3月期GDP改定値を修正するという対応を取った。
◇1~3月期のGDP改定値(修正後)
◇実質成長率 ▲ 0.7(▲ 0.5) 年率換算 ▲ 2.9(▲ 1.8)
◇寄与度 内需 ▲ 0.4(▲ 0.1)
外需 ▲ 0.4(▲ 0.4)
◇主要項目
個人消費 ▲ 0.7(▲ 0.7)
住宅投資 ▲ 2.9(▲ 2.5)
設備投資 ▲ 0.4(▲ 0.4)
民間在庫 0.3( 0.3)
公共投資 ▲ 1.9( 3.0)
輸出 ▲ 5.1(▲ 5.1)
輸入 ▲ 3.3(▲ 3.3)
◇名目成長率 ▲ 0.2( 0.0) 年率換算 ▲ 0.9( 0.1)
(注)カッコ内は修正前の改定値。数値は前期比伸び率%、寄与度は%。民間在庫は成長率への寄与度。▲はマイナス
(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/07/01-16:07)