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日本の名目GDP(国内総生産)が、米ドル換算で2025年にもインドに抜かれ、世界5位となる見通しとなった。国際通貨基金(IMF)が4月に発表した推計では、25年時点で日本が4兆3103億ドルに対し、インドが4兆3398億ドルとなる。昨年10月に発表された前回予測ではインドに抜かれるのは26年だったが、円安の進行により1年早まることになった。
日本の名目GDPは、内閣府が今年2月に発表した23年通年のGDP速報値でドイツに抜かれ4位となったばかり。その際、ドル換算での比較を行うために内閣府が用いた同年の平均為替レートは1ドル=140円48銭だった。24年の年初は1ドル=141円前後でスタートし、今月27日早朝には海外市場で158円台に下落。対ドルでの円の減価が目立つ。
もっともIMFのデータでは、23年の経済成長率は日本が1.9%に対しインドは7.8%と、為替レートだけでは説明できない成長力の差がある。インドは23年に人口が中国を抜いて世界一になったとみられ、膨大な需要が成長をけん引する。ニッセイ基礎研究所の斉藤誠准主任研究員は、「政府主導のインフラ開発に加え、中国への投資が控えられる中で先進国の資金を集めている」と指摘する。
日本は1990年代以降、物価も賃金も上がらないデフレ経済で低成長に苦しんできた。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「政府・日銀の円安政策の失敗という面もあり、日印逆転が1年早まった。円安依存の経済成長には限界がある」と話し、省力化や投資の喚起で生産性を高めることが不可欠と指摘する。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/04/28-15:06)
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