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デフレ脱却へ成長投資に重点=日銀、市場ときちんと対話を―加藤財務相

記事提供元=時事通信社
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時事通信

 加藤勝信財務・金融相は7日のインタビューで、デフレからの完全脱却に「全力を傾けていきたい」と表明し、まずは積極的な成長投資に重点を置く考えを示した。加藤氏はデフレ脱却担当相も兼ねる。また、金融政策の正常化に踏み出した日銀に対しては、市場との十分な対話を求めた。

 主なやりとりは以下の通り。

―在任中にやり遂げたい課題は。

 デフレ脱却に全力を傾けていきたい。「経済あっての財政」という基本的な考え方に沿い、物価高で苦しんでいる方々を支援したり、成長戦略の実行で積極的な投資を行ったりし、物価上昇を上回る賃金上昇を定着させる。「成長と分配の好循環」が実現できる経済をつくる。その上で財政健全化を図っていく。

―財政健全化目標は達成できるか。

 2025年度に国と地方の基礎的財政収支を黒字化する目標を念頭に置きながら、歳出改革にもしっかり取り組んでいかなければならない。26年度以降は(「取り組みの成果を後戻りさせない」などと記した)経済財政運営の基本指針「骨太の方針」を踏まえて対応していくことになる。

―日銀の金融政策は市場の乱高下を招いた。

 金融政策の具体的な手法は日銀に任せることになるが、市場ときちんとしたコミュニケーションは図ってほしい。2%の物価目標の持続的・安定的な実現に向け、適切な金融政策運営がなされることを期待したい。

―円安への対応は。

 問題なのはやはり急激な(為替)変動だ。企業活動にマイナスで、国民生活にもプラスにならない。為替相場の変動が日本経済あるいは国民生活に与える影響をしっかりと見ながら経済財政運営に当たっていきたい。

―20年代に最低賃金の全国平均を1500円へ引き上げる野心的な目標をどう実現するか。

 既存の賃上げ促進税制をまず活用してもらうことが大事だ。また、中小企業の賃上げを促すために、物件費や人件費の上昇分の価格転嫁を後押しすることも重要だ。政府としては、生産性向上に向けて省力化を含めたさまざまな投資を支援するなどし、物価上昇を上回る賃上げを実現していきたい。

―半導体産業への巨額支援の必要性についてどう考えるか。

 半導体分野は産業競争力や経済安全保障の観点から重要だということで政府が支援をしてきた。「骨太の方針」に沿って対応していく。人工知能(AI)、半導体分野の国内投資を継続的に拡大していくこと、必要な財源を確保しながら複数年度にわたり大規模かつ計画的に重点的支援を行うことなどが書かれている。

―地方創生について。地方の活性化に必要な具体策は。

 地域の事業を盛り上げていく、支援していく上で、地域金融機関の担う役割は非常に大きい。(企業側には)コロナ禍における債務返済、物価上昇、人手不足、後継者不足といろんな問題がある。(地域金融は)単に資金繰り支援をしていくだけではなく、人材マッチングとか事業の再生、経営改善、付加価値の高い支援をしていくことが必要だ。金融庁も監督指針を改正した。地域金融機関が機能を十二分に発揮できるようにしっかりと後押しをしていきたい。

―北海道が「GX金融・資産運用特区」に決定された。地元に求められる取り組みは。

 グリーントランスフォーメーション(GX)推進の核となる洋上風力発電、水素をはじめとした再生可能エネルギー関連事業について、自治体が事業者とよく連携して技術の実装や商用化をしっかり進めたり、関連する企業を誘致したりして、サプライチェーン(供給網)の構築を地域全体で進めていくことが大事だ。金融庁としては自治体や関係省庁と連携しながら、規制緩和などを着実に進めて、しっかりと支援していきたい。

―保険業界の個人情報漏えい事案を受け、具体的な再発防止策は。

 保険業界における契約者情報の漏えいは遺憾な事態だ。大手損保4社に対しては再発防止の実効性の検証を進める。生保にも似たような構造があり、実態把握も進めている、明らかになった内容に応じて法令順守や契約者保護の観点から厳正に対応していきたい。制度上、監督上の問題が認められる場合には、必要な見直しを図っていきたい。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/10/07-17:05)

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