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というのも、年利6%をうたって、毎月配当金を出しているところでも、高利回りの新興国などへの運用がうまくいかず、運用収益が上がらない。毎月分配型投資信託の運用実績上位50本の70%以上が元本割れという状態だ。運用収益が上がらない場合は、元本の一部を取り崩して配当金に回しているケースもある(特別分配金もしくは元本払戻金という)。
「毎月、分配金をもらって喜んでいても、実は元本が減り続けており、解約時に最初の投資額が1円も戻ってこない危険性も低くありません」というのだ。
この自分の足(元本)を分配金として配当してしまうタコ足配当的なシステムは、一般の投資家にもわかりにくい。ファイナンシャルプランナーの試験でも、通常の配当金(普通分配金)か特別分配金かを、ケースごとに答えさせる問題が出されるほどなのだ。
3月17日には、東京地裁で金融業界を震撼させる判決も出ている。
2010年から2年間で毎月分配型の投資信託を合計3000万円購入した客が、分配金に関する販売時の説明不足で損をしたと主張し、みずほ銀行側に賠償を求めた訴訟で、東京地裁は17日までに「説明義務違反があった」と認定し、解約で生じた計約137万円のマイナスに、原告側の不注意による5割の過失相殺を適用し、約68万円の損失を認定。販売したみずほ銀行と資料を作成したみずほ投信投資顧問に賠償を命じたのだ。
ほかの金融機関も似たような販売方法だったために、投資信託で損をこうむった投資家からの訴訟ラッシュが始まるのではないかと戦々恐々としているという。上記の判決を受けて、みずほ銀行側は控訴したというから、今後に注目だ。
(文=松井克明/CFP)
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