「週刊新潮」(新潮社/4月10日号)が『金融プロは絶対に乗らない7つの「儲け話」』という特集を組んでいる。「ベースアップ2700円のトヨタ自動車とまでは言わないが、アベノミクスの恩恵を多少なりとも実感したサラリーマン諸氏は少なくないかもしれない。ようやく手にした虎の子をどう死守するか。金融のプロが絶対に乗らない7つの『儲け話』をご紹介しよう」という内容だ。
7つの儲け話とは、以下のトピックだ。
・「毎月お得な気分でも『毎月分配型投信』は70%が元本割れ!」
実は、高齢者に人気の毎月分配型投資信託の運用実績上位50本を見ると、70%以上は運用が行き詰まり、元本割れしているという。
・「銀行窓口で勧められる『フラジャイル5』で大火傷する日」
“高利回り”だと、銀行が買わせたがる新興国“フラジャイル5”(トルコ、インド、インドネシア、ブラジル、南アフリカ共和国)は先行き不透明だ。
・「これまでは通貨の優等生だった『豪ドル』に危機が迫る理由」
経済成長鈍化懸念の中国とリンクしているオーストラリア通貨「豪ドル」がそろそろ危ない!?
・「証券会社が大宣伝『NISA』に損を取り戻せない落とし穴」
「利益に対して非課税」という鳴り物入りで始まったNISA(少額投資非課税制度)だが、損失が出た場合には他の証券口座と損益通算できないデメリットに要注意!
・「マレーシア『イスカンダル計画』で2600万円の部屋は買いか?」
マレーシアの大規模開発計画「イスカンダル計画」で次々と建てられる高級マンションに日本人投資家も注目。ただし、投資目的の外国人富裕層ばかりが物件を購入しており、早晩、ゴーストタウン化しそうだ。
・「ウクライナから冷戦でも『有事の金』に待ったが掛かった!」
古来よりインフレや戦争など「有事には金を買え」とされるが、ウクライナ危機の影響は限定的で、今は“買ってはいけない”とクギをさしている。
・「『うちの屋根で太陽光発電』投資は10年経っても儲からない」
屋根に据えたソーラーパネルがお金を稼いでくれるハズが、買い取り価格の見直しでウマミがなくなった太陽光発電。
この中で、今回、注目したいのは、分配型投資信託にまつわるトピックだ。
●分配型投資信託の不透明なリスク
分配型投資信託といえば、月に1度の配当金をうたい、2000年ごろから銀行や証券会社が団塊の世代をターゲットに販売に力を入れた金融商品だ。
「2000年に約8000億円だった投資残高は、07年には30兆円を超えるまでに膨れ上がったのである。老後を支える金融商品と言えそうだが、『今、すぐにでも解約すべきです』」と専門家は警鐘を鳴らすのだ。