芸能マネが見た手越会見舞台裏…ジャニーズの圧力、怪しい安倍昭恵人脈、中居との格の違い
どうも、“X”という小さな芸能プロダクションでタレントのマネージャーをしている芸能吉之助と申します。
みなさん、先日の手越祐也くんの会見はご覧になりましたか? 6月19日にジャニーズ事務所を退社した元NEWSの手越くんが23日に緊急会見を行い、一連の騒動について語りました。ジャニーズを退所した理由や、“手越キャバクラ”と文春にスクープされたステイホーム期間中の外出について、NEWSへの思い、これからの展望・野望などなど、約2時間しゃべり通し。その模様は自身が開設したYouTubeチャンネルで生配信され、最大時で130万人以上が視聴していたそうです。
この会見に対しての反応は賛否両論さんざん語られているんだけど、同じ業界で働く人間として分析すると、いろいろ興味深い点がありました。
ジャニーズも日テレも言ってほしくなかった“圧力問題”
まず一番大きなポイントは、手越くんが会見中にポロッとこぼしたこの言葉です。
「(『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)出演は)叶うなら今でもやらせてほしいと思います。日本テレビさんも、ジャニーズ事務所と深い関係だったりとか僕以上にあると思っているので、ジャニーズ事務所と日本テレビの話し合いで、手越祐也退所についてこの番組からいなくなるという判断をしたとしたならば、そこには僕自身従わなければいけない」
これ、これですよ! これは、ジャニーズ事務所も、日本テレビも、一番会見で言ってほしくない話だったと思う。要するに、ジャニーズが一番避けたい「圧力問題」に絡む発言だったということです!
ジャニーズは、2019年7月にも元SMAPの稲垣吾郎さん、草彅剛剛さん、香取慎吾さんら「新しい地図」の3人を出演させないよう民放各局に圧力をかけた疑いがあるとして公正取引委員会に注意を受けており、その手の疑いの目を向けられることは、絶対に避けたいはずなんです。今回の手越くんの発言で、まあ「圧力」は言い過ぎとしても、テレビ局側の忖度のようなものが透けて見えてしまいましたね……。手越くんは“円満退社”を何度もアピールしていたけど、「それって全然円満じゃないじゃん!」ということも伝わってきました。
「安倍昭恵氏との会合」という手越祐也の言葉が意味するもの
そして、もうひとつのポイントは、手越くんが会見でも何度も口にしていた彼の豊富な“人脈”と、その怪しさです。
手越くんは会見で「実業家」「日本を引っ張っているリーダー」「医療従事者の先生」などの人々と普段から交流していると語っていました。さらに隣にいた担当弁護士が、地下鉄サリン事件や日産のカルロス・ゴーン事件を担当していた超有名弁護士・高野隆氏であったことからも、手越くんの人脈の広さは確かにうかがえます。
ただ、その人脈が実際のところどうなのかというと……。
安倍晋三首相夫人の安倍昭恵氏と定期的に会う会がある、と手越くんは会見で話していました。それはとどのつまり、安倍昭恵氏のもとに集まるような人間と人脈があるということ。そうした人脈というのは、読者のみなさんも週刊誌等の報道でご存じですよね……?
つい最近も、トンデモなスピリチュアル系発言を繰り返す、一部では“カルト医師”として名高い方との大分・宇佐神宮参拝が報じられていました。つまりは、みなさんがお考えの通りの非常にリスキーな人脈なわけです。いや、もちろんちゃんとした方もいらっしゃるのかもしれませんよ? でも、安倍昭恵氏がこれまでさんざん騒がれてきたような方々、そしてそれ以外にも半グレまがい、詐欺師まがいの方々など、巨大な権威にすり寄ってお金を儲けようとする人が多く集っているであろうような場所に自身が出入りしていることを、手越くんは図らずも自ら語ってしまったわけですね。
手越祐也の周辺に集う“筋悪”な怪しい人脈
まあ、実際に手越くんが付き合っている人たちがどんな人なのかは知りませんけど、だって少なくとも、ステイホーム期間中に銀座に集まっちゃって、「僕も女の子を連れて行くから君も連れてきなよ」なんて発言をしてしまうような方ということですよね? まさに手越くんが自分で語っていたように。そういう人たちが手越くんの“サポート”をするといっては集まってきている。これはもう、我々の業界の人間から見ると、自分の事務所のタレントには絶対付き合ってほしくない、そういう“筋悪”な方々である可能性が高いなあ、という印象を受けてしまいます。
これまでジャニーズ事務所も、それを十分わかっていたと思うし、彼の周囲の人はみんな心配していたと思いますよ。以前、少年隊の東山紀之さんがMCを務める『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)で、「手越はいいやつなんですけどね。(中略)本人の環境も変えないといけないし、友人も変えなきゃいけないし、まずは自分自身も変えなきゃいけない」とコメントしていて強く印象に残っていたんですが、今回の手越くんの会見で、僕はそのことをあらためて思い出しました。
手越くんってやっぱり、本人も「15歳でジャニーズ事務所に入所して16歳でNEWSとしてデビュー、ジャニーズとNEWSしか知らないんですよ」と話していたけど、まさに子どもの感覚のままここまできてしまったような、幼稚なところがぬぐいがたくあるんですよ。周りに助言してくれる大人もいっぱいいたんだと思うけど、彼の耳にはまったく入っていないんでしょうね……。
手越祐也という人間の幼稚さ、“アイドル”としては完璧だが
今回の会見を見ていて強く感じたのが、2月に同じように退所会見を行った中居正広さんとの違い。
手越くんは「自分は嘘がつけない」「なんでも答える」と、確かにどの質問にもちゃんと答えていたんですけど、正直たいした話はほとんどなくて、用意してきた話、自分にとって都合のいいことばかりを延々と繰り返して話すパターン。自分が言いたい話は全部完璧に準備してきているし、頭の回転もいいからとっても流暢に話すんだけど、よく聞くと同じ話ばっかりしているという。質疑応答のときも、違う質問をされているのに、結局自分の話したいことを話したりしている印象でした。
そこが、中居くんと全然違う。中居くんも、もちろん想定した質問に対する答えを用意していたと思うんだけど、それ以前に、まず聞かれたことをその場で考えて答えるという記者会見の基本を、とてもまっとうに、真摯にやっていた。ここは答えないほうがいいと判断した質問にもユーモアで返して、ああいうやり取りができるのは超一流。あんなに雰囲気がいい会見、なかなかないですよ。
中居くんと比べるのは酷ですけど、結局は手越くんは、“自分のことばっかり”なんだなあという彼の幼稚さが会見の空気によく表れていました。「素直に話す」という彼自身の個性はよく出てましたけどね。子どもがアイドルのまま年齢を重ねて世の中に出るとこうなるんだな、という典型的な見本だと思います。でもアイドルとしては完璧! 最後に「テイ!」までやりましたからね(笑)。
さっそく舞台裏を配信、その手際のよさの背景にあるもの
結局あの会見は、手越くんにとっては謝罪会見でも釈明会見でもなくて、壮大なる「自分のYouTubeチャンネルの宣伝」だったんですよね。これだけ注目されて、そういう意味では会見は大成功だったといえるでしょう。そもそも、問題自体がそう深刻じゃない。ステイホーム中の外出も別に犯罪ではないし、手越くんがただ事務所を辞めるというだけの話であって、こんなに騒ぐほどのことじゃないんですよね、実は。
手越くんは会見直後に動画サービス「OPENREC.tv」で自宅から食事しながら生配信、2日後には、自身のYouTube「手越祐也チャンネル」で「手越祐也 記者会見 舞台裏 BACKSTAGE」を公開するなど、そのスピード感はさすが。どういう仕掛け人がバックについているのかわかりませんが、今後の彼にも注目していきたいと思います。
(構成=白井月子)