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松居一代さん、躁的防衛の可能性…深刻な弊害に苦しむ懸念も

文=片田珠美/精神科医

 俳優の船越英一郎との離婚が成立したタレントの松居一代が、12月15日に都内のホテルで会見を開いた。花柄の黄色い服を着て登場した松居は、満面の笑みで「大変うれしく、喜ばしいことなんですけれども、離婚が成立しました。やりました! 本当にやりました!」と勝利宣言。途中でVサインやガッツポーズをみせたり、母親に涙ながらに“生電話”をかけ離婚を報告するなど、異例の離婚会見が話題を呼んでいる。

 たとえば、同日放送のテレビ番組『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)内でキャスターの宮根誠司は、「離婚したいというのは、船越さんが言い出したこと。船越さんの言う通りになったのに、勝利宣言の意味がわからない」と疑問を呈した。また、同日放送の『とくダネ!』(フジテレビ系)内でキャスターの小倉智昭も、「松居一代さんの勝利宣言でした。それ以外に何もない会見」「なんでこれに付き合わされたのか。聞いていて、だんだん私は腹が立ってきたんですけどね」とコメント。

 さらにインターネット上でも、「恐い」「大丈夫だろうか」などと松居を心配する声も多数見られるが、そんな松居の現在の状況について、精神科医の片田珠美氏に解説してもらった。

 松居さんはガッツポーズを取ったが、そもそも最初に離婚を求めたのは船越さん側だったのではないかと首をかしげずにはいられなかった。

 船越さんからの離婚要求を松居さんが拒否したからこそ、船越さんは離婚調停申立書を裁判所に提出したのだろう。しかも、その申立書が今年7月に松居さんの自宅のポストに投函されても、彼女はそれを無視し続け、「最高裁まで争う」と宣言していたという報道もある。

 松居さんは、船越さんから渡されたサイン済みの離婚届をビリビリに破り捨てたとも報じられており、一連の報道が事実とすれば、松居さんは当初は離婚を望んではいなかったはずだ。にもかかわらず、離婚が成立したとたん勝利宣言し、船越さんを「大っ嫌いです!」と言い放ったのは、心変わりなのか。それとも、強がりなのか。

強がりはマニック・ディフェンス(躁的防衛)

 もし強がりとすれば、マニック・ディフェンス(躁的防衛)の可能性がある。マニック・ディフェンスとは、平たくいえば、落ち込んでいるのはつらいので、それを避けるために空元気を出してはしゃぐことである。

片田珠美/精神科医

片田珠美/精神科医

広島県生まれ。精神科医。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士(京都大学)。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学ぶ。DEA(専門研究課程修了証書)取得。パリ第8大学博士課程中退。京都大学非常勤講師(2003年度~2016年度)。精神科医として臨床に携わり、臨床経験にもとづいて、犯罪心理や心の病の構造を分析。社会問題にも目を向け、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析学的視点から分析。

Twitter:@tamamineko

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