一日1杯分の無駄なコーヒー代削れば、まったく無理せず貯金1千万円たまる
お金を貯めるのは4つの要素しかない
エクセルには財務関数がいくつかあって、簡単にシミュレーションを自分で行うことができますが、覚えておくと便利な関数のひとつが「FV関数」です。これは、「初期元本」「毎月の積立額(もしくは返済額)」「年利」「年数」を設定すると、最終的な金額が明らかになるものです。わかりやすい使い方としては、
「最初に○円あって、毎月○円積み立てて、年○%の利回りがあって、○年がんばったら、最終的にいくらになるのか」
を計算することができます。これを言い換えると、基本的にお金を貯めて増やすにはこの4要素しかない、ということでもあります。
どんなたくさんの残高を期待したとしても、貯金や投資でお金を増やしたいなら「最初の種銭(初期元本)」を多くするか、「毎月の積立金額」を多くするか、「積み立てを長い期間」するか「運用利回りを高く」するか、しかないわけです。
これは冷徹な事実です。たとえば、投資で「億り人」になりたがる人は、「種銭100万円程度」で「尋常ではない高利回り」を目指すことだけでお金を増やそうとしていることがわかります。これが失敗のもとで、ほとんどの人の種銭は溶けて消えて行ってしまいます。
「ラテ・マネー」が資産1000万円の礎になる
資産形成上、普通の人がもっと重視するべきは「毎月の積み立て」を設定することです。それも毎月10万円の積み立ては必要ありません(現実的には年120万円を積み立てていくことは普通の会社員には困難でしょう)。
アメリカの著名なファイナンシャルプランナー(FP)、デヴィッド・バックは資産形成のコツは「ラテ・マネー」を見つけることだと指摘しました。
とあるコーヒーチェーンのカフェラテ(トールサイズ)は370円(税込)です。毎日同額くらいのムダづかいを削って貯金することができれば、人生を通じて572万円くらいの元本になります(22歳から65歳まで43年分と仮定)。毎月1万1100円(370円×30日)の積み立ても長い目で見るとけっこう大きな金額です。この間、年3%で運用したと仮定すれば1166万円、年5%で運用したとすれば2010万円が最終的な受取額です。
年100%(つまり1年で2倍にする)のような無茶な利回りでなくても、私たちは財産をつくることができます。そのために必要なのは、「毎日の数百円(月1万2000円程度)の拠出」です。それがあれば、資産1000万円の道は不可能ではないのです。