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フジ月9『SUITS』が8話で突然面白くなってきた!衝撃サプライズにネット大興奮!

文=吉川織部/ドラマウォッチャー
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 織田裕二が主演を務める連続テレビドラマ『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)の第8話が26日に放送され、平均視聴率は前回から0.7ポイント増の10.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。2桁復帰は3週間ぶりで、通算では1~3話と5話に続いて5回目の2桁となる。

 この作品は、勝つためには手段を選ばない敏腕弁護士・甲斐正午(織田)と、驚異的な記憶力を持つが弁護士資格を持たない鈴木大貴/大輔(中島裕翔)がバディを組み、数々の案件を解決していく弁護士ドラマ。第8話は、有害性塗料で健康被害を負ったと主張する原告団が大手建設会社を訴える集団訴訟案件がテーマとなった。

 甲斐と鈴木が戦う相手は、第4話でも登場した甲斐の後輩弁護士・畠中美智瑠(山本未來)。かつて甲斐は「何をやっても最終的に勝てばいい」というやり方を彼女に叩き込んでおり、そのせいで今回は甲斐自身が大苦戦。次々に手を繰り出すものの常に畠中に一歩先を越され、ついには400人以上もいた原告団が1人もいなくなり、訴訟を継続できなくなる事態にまで陥る。

 最終的には奇策を繰り出して奇跡の大逆転を果たすわけだが、この奇策にきちんと伏線が張られていたおかげで、視聴者に「なるほど、そう来たか!」というサプライズとカタルシスを大いに与える構成となっていた。悪徳企業がきっちり成敗される結末に、視聴者からは「めちゃくちゃおもしろかった」「今回が一番良かった」「弁護士ドラマらしくて良かった」といった声が多数上がった。

 悪徳企業を懲らしめるだけでなく、同時に畠中弁護士をコテンパンにやっつけることができたのも、視聴者の留飲を大いに下げた。畠中は4話の時点でも非常にいけ好かない嫌な感じだったが、今回は原告の弱みを握って脅すような汚い手を使いまくったせいで、さらに視聴者のヘイトを集めた。つまり、今回は「大企業」と「汚い弁護士」という2つのわかりやすい悪役を設定し、その両方を同時に敗北させるという勧善懲悪的な構成が貫かれていたというわけだ。

 さらに、甲斐の邪魔ばかりする蟹江貢弁護士(小手伸也)がパラリーガルの聖澤真琴(新木優子)に別件でやり込められ、謝罪させられるというおまけまで付いた。蟹江は最近こそ甲斐に協力したり、企業案件に有能なところを見せたりしているが、基本的には視聴者をイラっとさせる“ウザキャラ”としてドラマの中で位置付けられている。本格的に失脚させるのではなく、下っ端の真琴に頭を下げる一時的な屈辱を描くことで視聴者をスッキリさせるという脚本は、絶妙なさじ加減だといえる。

 とはいえ、「ワンパターンの勧善懲悪ドラマばかりではつまらない」という声も確かにある。ドラマファンとして、その通りだとも思う。だが、『SUITS』は、それを意識しすぎたのか、ここまで締まりがなく爽快感もない、ぼんやりとしたエピソードばかり描いてきた。しかし、弁護士ドラマ(法律ドラマ)である以上、視聴者は勝ち負けのはっきりした結末を望んでいるはずだし、当然のことながら「正義が勝ってほしい」とも思っているはずだ。「今回が一番良かった」という声が上がっているのが、その証拠だ。

 型にはまった水戸黄門的なドラマをつくらないのも、ひとつの挑戦ではある。だが、ワンパターンと言われようと、視聴者が望むような勧善懲悪ドラマをきっちりつくのも、ある意味では挑戦だ。フジテレビは第9話と第10話を「最終章」と銘打って最後のエピソードを描くようだが、この路線を踏襲して娯楽ドラマに徹してもらいたい。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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