50代で「老前整理」をやるべき理由…60代以降が劇的に快適に、やらないとデメリット
言葉が先歩きして、一時期大流行した「終活」。実は残された家族に迷惑をかけないためにも、やっておくべき重要なことなのです。終活は大きく分けて3つあり、なかでも自分でできる「老前整理」は最も大切で、50代から始めるのがベストだといわれています。そんな「老前整理」についてお話しします。
「終活」とはそもそもなんのためにやるのか
もはや誰もが知っている言葉となった「終活」ですが、そのステップは3つあります。まず、自分が死んだ後に配偶者や子に迷惑をかけないよう自分の持ち物の整理をする「老前整理」、相続や財産の問題をクリアにしておく「生前整理」、そして自分の死後に家族が行う「遺品整理」です。「老前整理」と「生前整理」をきちんとやっておくほど、最後の「遺品整理」で家族が苦労しません。家族の負担を軽くするためにも、ぜひやっておきたいですね。
なんとなく想像はするものの、「終」という文字が入っているだけに、終活を行うと死ぬ準備になるような気になり「70代、80代になってからやればいいのでは?」と手を付けていない人がほとんどです。ですが、私は50代に入ったら、まず老前整理を始めることをオススメしています。
その理由は、終活とは「死ぬ前の準備」ではなく、「不要なものをそぎ落とし、人生の後半戦を楽しく過ごすための準備」だからなのです。
「老前整理」を50代にオススメする理由
終活のなかで最も重要なのは「老前整理」です。読んで字のごとく、老いる前に長年ためてきた衣類や本、家具など持ち物を、本当に必要なものともう要らないものに分け、よく使うものだけで生活できるよう整理するのが、老前整理です。
50代は、気力・体力・判断力がまだまだ充実していますよね。家の中の整理をするためには、片付けたい場所からものを一度出して不要なものを処分し、必要なものだけを収納します。1カ所ずつ始めて、すべての場所でこれを行うので、かなりの気力と体力が必要になります。
体力だけではありません。「本当に今の自分に必要なのか」を見極める判断力も必要になります。これも今までやったことがない人には大仕事なのです。転勤などで引っ越しが多かった方は、そのたびに持ち物の取捨選択をせまられているので、意外に持ち物にムダがなく、比較的整理もされています。しかし結婚以来、何十年も同じ家に住み続けているという方の場合、相当な量のものがたまっている可能性大です。