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野菜・果物ジュースのみやプチ断食は超危険!かえって肥満や老化、健康被害のおそれ

文=豊田美里/管理栄養士、フードコーディネーター

野菜・果物ジュースのみやプチ断食は超危険!かえって肥満や老化、健康被害のおそれの画像1「Thinkstock」より
 最近、女優やモデルをはじめとして、大人気のダイエットがあります。3日間ほど野菜や果物でつくったジュースを食事代わりにする方法で、「ジュースクレンズ」などと呼ばれています。ジュースにせず、生の野菜や果物を食べる「酵素ダイエット」と似ています。

 酵素とは、人間が生きていくうえで非常に重要な栄養素です。「3大栄養素」といわれるたんぱく質、炭水化物、脂質のほか、体を整える効果のあるビタミン、ミネラル、腸を整える食物繊維、またファイトケミカル、水に次ぐ9番目の栄養素といわれ、これらを合わせて「9大栄養素」と表現する専門家もいます。

 酵素は、消化や代謝など、人間の体内における生命維持活動に重要なあらゆる化学反応を担います。およそ1万3000種もの酵素が体内に存在するといわれていますが、炭水化物、脂肪、たんぱく質、乳糖を分解する消化酵素が特に重要視されています。

 これらの酵素が不足すると、太りやすくなると考えられています。たとえば、炭水化物分解酵素であるアミラーゼなどが不足すれば、体内で炭水化物に含まれるでんぷんから糖をつくり出す量が減り、代謝が悪くなります。また、血液がドロドロと汚れやすくなるともいわれています。

 つまり、酵素が不足すると健康な生活を保てなくなるのです。

 ところが最近は、野菜や果物をあまり食べない人が増え、酵素が不足している人が多いようです。酵素を補うべき、という意味においては、ジュースクレンズも酵素ダイエットも正しく、また生の野菜や果物を摂取することは大いに推奨したいところです。

自己流のダイエットは危険!

 ただし、ジュースクレンズがはやっているからといって、安易に飛びつくのは大変危険です。ほかの必要な栄養素を摂らず、酵素を摂ることのみを目的としたダイエットは場合によっては命取りです。

 砂糖や白米、食品添加物や化学調味料といった体に不必要なものを摂らない食事は良いことですが、炭水化物やたんぱく質などの必須栄養素を制限するダイエットはリバウンドの可能性が高いばかりか、健康を害するおそれもあります。

 ジュースクレンズ同様、「プチ断食」など、消化器官を休ませる目的で、一定期間食べないダイエットやデトックスもはやっています。

 しかし、専門家の指導のもとで行わなければ、体の老化を早めることになります。また、一時的に体重は落ちますが、筋肉量が低下して代謝が悪くなり、太りやすい体質になります。水分や塩分が足りなくなれば、脱水症状を引き起こしたり、むくみやすくなります。冬でも熱中症になることもあります。

 胃腸を休ませるつもりで断食やジュースクレンズを行っても、その前後の食事によってはかえって内臓に負担をかけることもあります。準備食、回復食を事前に計画せずに食事を抜くと、断食後に普通食に戻したら腸捻転などを引き起こして入院するケースもあります。

 ダイエットの基本は、運動+健康的な食事です。運動せずに食事を制限するものは、すべて体にとって有害です。憧れのモデルや女優や俳優などが実践した、はやっている、というだけで自己流のダイエットを行うのはやめましょう。
(文=豊田美里/管理栄養士、フードコーディネーター)

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