フリマアプリ業界で圧倒的なユーザー数と出品数を誇る「メルカリ」。昨年はスマートフォン決済サービスの「メルペイ」の提供を開始し、その勢いは留まるところを知らない。さらに、昨年末には、Google Playが選ぶ「Google Play ベスト オブ 2019」を受賞し、ますます利用者が増えているという。
膨大な数の商品が出品されているメルカリでは、検索機能を向上させ、ユーザーが欲しいアイテムを簡単に見つけられるような工夫がなされている。特に、昨年導入された「写真検索機能」はスマホ内の写真をアプリに読み込むだけで類似の商品がヒットする、非常に便利な機能だ。現在はiOSのみに導入されており、Androidやそのほかの機種へは順次導入予定だという。
もちろん、従来の検索方法でも詳細に絞り込むことができ、カテゴリーの選択や商品の状態、サイズを指定して検索することも可能。自分が求めるアイテムを見つけやすい。
今回は、数あるカテゴリーの中から「家電」にフォーカスし、「今メルカリで買わないほうがいい家電」を5つ紹介する。
ネスカフェ ドルチェ グスト
年末年始の宴席で定番の遊びといえば「ビンゴ」だ。ネスカフェが販売しているコーヒーメーカー「ドルチェ グスト」は、ビンゴの定番景品のひとつでもあるためか、この時期に出品が増える。簡単な操作で多彩なラインナップのドリンクを楽しめる利点があるが、日常的に使おうと思うとネックとなる点も多い。
最大の問題点はカプセルの値段。ドルチェグストでドリンクを飲むためには専用のカプセルが必須で、これが比較的高値なのだ。たとえば、230mlで16杯分の「リッチブレンド」のカプセルは1箱980円。もし家族全員で飲むとなれば、それなりの値段となるだろう。本体の安さが目を引いても、長期的に使うとコストがかさむので、家計と相談して購入を検討しよう。
ハンディスチームアイロン
忙しい朝でも素早く、そして簡単に衣類のシワを伸ばせるハンディスチームアイロン。特に、日々のシャツのアイロンがけを億劫に感じているビジネスマンは、ひとつ持っておいて損はない。しかし、メルカリでの購入はあまりおすすめできない。
というのも、ハンディスチームアイロンの使用頻度は極めて高く、故障のリスクが高いからだ。メルカリで無保証の安価な商品を購入するより、少し値段が高くても家電量販店で購入するほうが安心度は高い。また、コードの長さなども使いやすさに直結するので、店頭でしっかり確認してから購入するほうが不安要素は少ないかもしれない。
ワイヤレスイヤホン
スマホから従来のイヤホンジャックが廃止される傾向にあり、Bluetoothで接続できるワイヤレス型に注目が集まってきている。特に左右が完全に独立しているワイヤレスイヤホンは、コードがからまるなどの不便さがなく快適だ。
しかし、質の良いワイヤレスイヤホンは高額でなかなか手が出しづらい。メルカリには破格の値段での出品も見られるが、安価な海外製の商品は音質がイマイチというレビューが多い。さらに、インナーイヤー型の場合は耳穴のサイズと合わない場合にイヤーピースの取り替えなどで調節することができないため、フィット感に不満を覚えることも。ストレスフリーに音楽を楽しみたいなら、試聴・試着をしてから購入することを推奨する。
ワイヤレスキーボード
外出先で仕事をするビジネスマンのなかでも、最近はiPadなどのタブレット端末を利用する人が増加してきている。そうした層から需要があるのが、ワイヤレスタイプのキーボードだ。タブレットとワイヤレスキーボードのコンビさえあれば、カフェやファミレスを簡単に職場にすることが可能になる。
メルカリに出品されているワイヤレスキーボードは安いもので1000円以下という商品もあるが、なかにはゲームセンターのアミューズメント景品で獲得したようなオモチャまがいの品物も多い。こうしたキーボードは往々にして打ち心地が悪く、タイプミスも増える。仕事に集中できる環境を求めるのであれば、自分に合ったキーボードを試して選ぼう。
マグウォーマー
今の季節、じっと座って作業するデスクワーカーにとって温かい飲み物は欠かせない。「マグウォーマー」はマグカップに入れた飲み物を保温できる優れもので、「机上にひとつ置いておきたい」と重宝されている。
しかし、マグウォーマーの出品数はさほど多くなく、メルカリで買おうと思うと選択肢は少ない。また、新品未使用となると値段は2500~3000円台が相場となる。格安の商品はデザイン性重視の場合が多く、その性能に疑問が残る。ネットショップや家電量販店の場合は同価格帯でも機能を比較できるため、残念ながら「絶対にメルカリで買うべき!」という理由が見当たらないのが現実だ。
年末の大掃除を経た後はメルカリへの出品が増えるもの。なかには衝撃的に安い商品もあるが、値段だけで飛びつくと痛い目を見かねない。説明文や出品者の評価には注意深く目を通し、商品の写真は隅々まで確認することを強く勧める。
(文=清談社)