超一流のプロフェッショナルに密着し、その仕事を徹底的に掘り下げるドキュメンタリーが、NHKの番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』だ。
4月21日放送は「緊急企画! プロのおうちごはん」だった。新型コロナウイルスの感染拡大防止のために外出自粛している視聴者のために、プロが家庭の料理にアイディアを授けるというわけだ。感染を防ぐために、撮影クルーが行くというわけにはいかない。それぞれが提供してくれた動画を編集して放送された。
伝説の家政婦といわれる、タサン志麻は「オーブンいらずの、ローストビーフ」「子ども大好き野菜スープ」「お手軽、チョコレートムース」の3品を紹介。難しそうと思われるローストビーフも、焼き色を付けたらラップで二重に巻き厚手のビニールに密封して湯煎するなど、秘伝を惜しげもなく伝えてくれるので、つくってみようという気になる。
創業115年の洋食店主、島田良彦は「家でつくれる、本格ひとくちカツ」を紹介。パン粉をまとわせた豚肉ロースを揚げる時は、泡が小さくなったら上げていくなど、プロならではのワンポイントアドバイスがあった。
野菜の鬼といわれる青果店主の杉本晃章は、「新キャベツのもみ漬け」を紹介。カブ、キャベツ、キュウリ、ニンジンを揉みながら塩を加えていき、放置すること4時間。時間がおいしくする、がポイントだ。
中華料理の鬼才、古田等は、「家族をつなぐ、パラパラチャーハン」を紹介。冷蔵庫に残ったものでつくるチャーハンは、切るように炒めるのがコツ。気長に根気よく、がワンポイントアドバイスだ。
当代屈指のお好み焼き職人の市居馨は、お好み焼きの秘伝を伝授。具材の乗った生地をひっくり返した後に、素人のよくある失敗は、じれったくなっていじってしまうことから生じる。今は、待とう、がポイントだ。
お腹がいっぱいになった後のためにと、美尻トレーナーの岡部友も登場。テレビを見ながらできるエクササイズを紹介してくれた。
「どれも実行したくなるレシピばかり」
撮影はカメラを固定しての自撮りや、家族による撮影。タサン志麻に幼児がまとわりついてきて、料理に参加してくる場面もあった。プロのカメラワークではないが、お互いをよく知る家族による撮影は、温かさが伝わってくる。インターネット上で視聴者の感想をみても、次のように好評を得ているようだ。
「昨日のいままで出てきたプロたちがおうちごはんを紹介するみたいな企画ガチ泣きした。思い入れある懐かしい面々がでてきただけでもうるっとくるのに皆さんが自宅で撮影してくれてるの愛が溢れすぎててヤバイ」
「神回だったと家人が言うので現在、録画再生中。なるほどこれは凄い。『共有知』って まさにこう言うことなんだろうなと しみじみと思う」
「こういった企画、母には本当にありがたいです」
「観たらHDDから削除するつもりだったけど保存することにしました」
「昨日見たこちらの番組のチャーハン、お昼ご飯に作ってみました! 本当にパラパラになって美味しかったです!!!」
「なるほどね~と頷くことあり。何よりおうちごはんだから難しくないのが良い。すぐに試せるものばかり」
「今日のプロフェッショナルで紹介したレシピ、どれも実行したくなるレシピばかりだった ローストビーフは絶対作る!」
「一流料理人の皆さんのお気持ちに感動しました。ありがとうございました」
「プロフェッショナルでは穏やかな音楽と共にプロのおうちごはん紹介してくれて視聴者へのアフターフォローバッチリかよ 料理人の方も経営が苦しくて大変な状況の中家庭でも作れる料理共有してくれてもう」
動画を送ってくれた人々は皆、客を失って大変な苦境にある。そのなかでも、家にいなければいけない視聴者のために、プロの技を公開してくれた心意気には、とても励まされた。
(文=編集部)