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婚活市場に急増中の「子供部屋おじさん&おばさん」は相性最悪?地獄の婚活攻防戦の実態

文=藤野ゆり/清談社
婚活市場に急増中の「子供部屋おじさん&おばさん」は相性最悪?地獄の婚活攻防戦の実態の画像1
「gettyimages」より

 成人後も親元を離れず、中年になっても実家の子供部屋で暮らす「子供部屋おじさん」が婚活市場に急増しているという。ただでさえ、男性は婚活で厳しい局面に立たされることが多いと言われるだけに、苦戦を強いられるであろうことは想像にかたくない。また、婚活市場では同様に「子供部屋おばさん」の存在も目立ち始めているという。

 その実態について、結婚相談所マリーミー代表で婚活アドバイザーの植草美幸氏は「婚活市場に現れる子供部屋おじさんには、いくつかの共通点があります」と語る。

 一番多いのが、実家が東京近郊で職場がそう遠くない、または地方出身者で地元で就職している場合など、ひとり暮らしをする必要に迫られていないケースだという。なかには、バツイチで実家に出戻り、再び子供部屋で生活している例もあるようだ。そして、彼らに共通するのは「親との絆が異常に強い」ことだという。

「35歳の子供部屋おじさんが、交際している女性を両親に会わせた際のことです。帰り際に彼女を送っていこうとすると、母親が駆け寄って来て、『外は寒いわよ』とマフラーを自分の首にかけてきました。おじさんは当たり前のように『ママ、ありがとう』。その光景を見た女性がドン引きして、破談となりました。いまだに出かける前の服装チェックを母親にしてもらっている、という男性もいます」(植草氏)

 親子の関係性は、いつまでも時が止まったままなのだろうか。また、父親との絆が強いケースもあるという。

「結婚後、3カ月で男性側が夫婦生活に耐えられなくなり、実家の子供部屋に戻ってしまったケースもありました。その際、彼の父親が出てきて『うちの子がかわいそう!』と言うんです。男性が実家に戻ったのは、家事をやるのがしんどいというのが主な理由。ずっと実家暮らしの子供部屋おじさんにとって、ご飯も洗濯もお風呂も用意されているのが当たり前。会社を往復するだけで、あとの時間はゲームやネットなど趣味にあてる生活から抜け出せないんです」(同)

 当然ながら、そういった子供部屋おじさんの家事能力は皆無に等しく、公共料金や食費などを自分で支払ったことがないため、経済観念がずれているケースも多いという。そのため、とかく経済面に厳しい目を向けられがちな婚活市場では女性ウケが悪く、需要は低いようだ。

子供部屋おじさん&おばさんの相性は最悪

 一方、子供部屋おばさんは、世の中的にもそう珍しい存在ではない。低賃金ゆえにひとり暮らしをする余裕がない女性や、シングルマザーで実家に出戻るなどの致し方ないケースも多く、世間の風当たりは男性よりは弱いだろう。

「男性に比べれば、子供部屋おばさんのほうが結婚しやすい傾向にあります。ただ、ずっと実家暮らし=家事ができないと思われるのはマイナスポイントなので、婚活の際は必ず家事能力をアピールするように伝えています。ある程度、花嫁修行をしてから婚活に挑んでいただく場合もあります。中には、お米を炊いたことも包丁を持ったこともないという女性もいるので」(同)

 では、子供部屋おじさんと子供部屋おばさんのマッチングは成立するのだろうか。

「両者に共通するのは、結婚後も生活習慣を変えたくない、変えられない、という点なので、相性は最悪です。互いに40代の子供部屋おじさんと子供部屋おばさんが結婚したケースでは、夫は妻の愚痴を電話で母親に漏らし、妻は姑の愚痴ばかり言っていました。結局、この夫婦は、夫の転勤に妻がついて行かず、実家に戻ってしまいました」(同)

 男女問わず、他人と歩調を合わせて歩んでいくという感覚が欠如していれば、一時的な恋愛はできても、結婚生活を維持するのは難しいだろう。特に男性は急激な生活の変化に耐えられず、ストレスでうつ状態になってしまうケースもあるという。

婚活市場で「親と仲良し」はマイナスに

 そもそも、子供部屋おじさんや子供部屋おばさんが実家から離れられない背景には、親に原因があるケースもあると、植草氏は話す。

婚活歴10年の子供部屋おじさんは、10年前から同じプロフィール写真を使っていて、20年前に買ったスーツでデートに挑み、いまだに80歳の母にご飯をつくってもらっています。それだけでも時が止まっているのがよくわかるのですが、彼にシングルマザーの女性を紹介したところ、母親に『うちの息子に子どものいる女を紹介するなんて!』と激怒されました。親も時間が止まっているんです。いつまでも子どもを手離さず、近くにいてほしいとさえ思っている。年を経ると自分の面倒を見てほしいという欲が出てくるので、なおさらです。『離婚しなさい』『実家に戻っておいで』と平気で言う親もいます」(同)

 親を大事にしている、親子仲が良い……と言えば聞こえはいいが、その実態は互いに依存し合うゆがんだ関係性であることが多い。男女問わず、婚活市場では「親と仲良し」はマイナスポイントになるという。

「過去の交際経験でトラウマがあるのか、『親と仲が悪い、または死別している』『実家が遠い』という条件で相手を探される方も、最近は多いですよ」(同)

 どうやら、子供部屋おじさんと子供部屋おばさんの婚活攻防戦は、なかなかの泥仕合となりそうだ。

(文=藤野ゆり/清談社)

清談社

清談社

せいだんしゃ/紙媒体、WEBメディアの企画、編集、原稿執筆などを手がける編集プロダクション。特徴はオフィスに猫が4匹いること。
株式会社清談社

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