8月に突入すると、家族旅行のシーズンとなる。JTBの調査によると、今夏の旅行者は7733万人で前年同期に比べ59万人(0.8%)増加するとみられている。なかでも人気は海外旅行だ。国内旅行は7460万人で前年同期に比べ50万人(0.7%)増であるのに対して、海外旅行は273万人と9万人(3.4%)増となっている。これは過去2番目の旅行者数で、まさに海外旅行ブームといってもいい状況である。
主な人気の旅行先は、1位が中国で32万4000人、2位が韓国で30万6000人、3位がハワイで26万1000人、4位が米国本土で23万8000人、5位は台湾で21万9000人だ。
「今年は海外旅行が伸びています。中国、韓国、ハワイのトップ3は例年通りですが、今年は特に欧州が人気です」
こう語るのは旅行代理店最大手JTBの広報担当者。前年よりも8%増加して44万5000人に上る。
「欧州の場合は陸続きになっているために複数の国にまたがって旅行する人も多く、国別の統計は出していません。ただ、人気が高まる7月から9月にかけては期間限定のチャーター便も出しています。特に人気なのは北欧、ドイツ、スペインなどです。7月は15日から3連休がありましたし、8月には山の日と休日で3連休、お盆休みなども絡めれば10連休になる人もいます。宿泊も昨年に比べて伸びていて8泊以上宿泊する人も増えています。大自然を見に行くというツアーが人気です」
また、近畿日本ツーリストの広報担当者は欧州、オセアニアを推す。
「パンフレットの片隅には催行人数が書かれていますが、募集型企画旅行を実施する場合は最低限必要とする参加人数が決まっており、予約客がこれに達しない場合は旅行が中止されます。中止されずに行われた割合を『実質催行率』といいますが、欧州やオセアニアはこれが上昇しました。このほかアジアでは台湾、香港で、香港はディズニーランドが人気です。ハワイはリーズナブルな商品から高額商品まで幅があります」(同)
一方で、日本旅行は北朝鮮情勢が今夏の旅行に大きな影響を与えているという。
「グアム、サイパンなどミクロネシアの旅は相変わらず家族連れに人気です。それから今年の大きな傾向としては、北朝鮮問題などで韓国への旅行者が減り、香港や台湾に流れているということです。香港は前年に比べて58%ぐらい増えています」
国内はテーマパークに人気
では国内旅行はどうだろうか。JTBは長距離の旅行に人気が集まっているという。
「例年、北海道、東京(東京ディズニーリゾート)、沖縄がトップ3で人気ですが、なかでも今年は沖縄が人気です。LCC(格安航空会社)の直行便が飛ぶようになったことや、長期の休みが取れることなどが大きく影響しているのではないでしょうか」