そして、JTBが推すもうひとつの国内スポットはテーマパークだ。
「テーマパークを楽しむお客様が増えています。テーマパークはお金がかかるので、景気が良くないと来場者が増えません。そういう意味で、今年はお金を使う人が増えていると思います。宿泊も景気が悪い年は実家に何日か泊まって経費を浮かせて遊びに行くというスタイルが多いのですが、今年はワンランク上のホテルや旅館に泊まる傾向があります」(JTB広報担当者)
近ツリも国内ではテーマパークを推す。伊勢志摩・USJのツアーが夏休みの旅行のなかでは大人気だという。
「国内は伊勢志摩・USJをセットにした旅が人気です。伊勢志摩は昨年の伊勢志摩サミットの効果が大きいのではないでしょうか。USJは訪日外国人の来訪が一段落し、日本人の受け入れ態勢が整ってきたことなどが挙げられるのではないかと思います。訪日外国人のピーク時には、とてもホテルなどを取れるような状況にはありませんでした」(近ツリ広報担当者)
日本旅行は、JRを使ったデステネーションキャンペーンを推す。
「信州デステネーションキャンペーンは、街と旅が一体となったイベントです。7月から9月までの間に、信州(長野)で臨時列車を走らせる貸し切りプランが、かなり人気があります」(同社広報担当者)
海外はベトナムがオススメ?
では、今夏の穴場スポットはあるのだろうか。JTBと日本旅行が口を揃えてプッシュしたのがベトナムのダナンだ。14年頃から注目され始め、15年にブレイクし始めたところだ。
「ベストシーズンは成田空港からダナン空港まで直行便が毎日出ていますし、近くには古都ホイアンやフエなど世界遺産もあります」(JTB広報担当者)
「ダナンは7、8月は乾季でベストシーズン。物価も日本の3分の1程度です。急激に人気が上がっています。このほか、ベトナムにはフーコック島も穴場としてはお勧め。ベトナムの最南端位置するリゾートアイランド。近年開発がスタートしたばかりで、まだ手づかずの自然が満喫できる。近年開発されたため、スタイリッシュな新しいホテルが多いので穴場のスポットとしてお勧めです」(日本旅行広報担当者) 最近では働き方改革などで、9月に遅れた夏休みを取る人も増えた。働き方改革は余暇の過ごし方も変える。
「夏休みの旅行のキーワードは“フォトジェニック”な旅。写真映えするような景色がある場所が人気です。シンガポールのマリーナベイ・サンズなどにも注目が集まり、女性同士で9月に遅い夏休みを取って旅行することも増えてきました。ニセコリゾートや東京ディズニーリゾートにも人気が集まっています。4月1日にスタートした名古屋のレゴランドも、東京や大阪から行きやすいこともあって人気が集まっています」(JTB広報担当者)
これから本格的な夏休みが到来するが、日によってはまだ人気のリゾート地に行くチャンスはあるようだ。
(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)