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「群馬県いのちの電話」では30人の定員に対して応募者は6人(depositphotos.com)
9月10日から16日までは「自殺予防週間」にあたる。これは2007年に閣議決定された「自殺総合対策大綱」によって定められ、9月10日の「世界自殺予防デー」にちなんで毎年、同日からの1週間を「国民に自殺や精神疾患についての正しい知識を普及啓発する期間」としている。
この期間はさまざまな媒体を活用し、命の大切さや自殺の危険を示すサインに気づいたときの対応方法を国民に知らせていくというのだが、そもそもこの期間が「自殺予防週間」であるということを知っている人自体、かなりの少数派だというのが現状ではないだろうか。
折しもその自殺予防週間の2日目である9月11日に、自殺予防に関係するあるニュースがNHKで報じられた。
自殺を考えているほど悩んでいる人が、心の内を打ち明け、相談できる窓口として知られている「いのちの電話」の相談員が集まらないというのである。
相談は年間2万件、肝心の相談員が集まらない
今回、報じられたのは「群馬県いのちの電話」の現状だ。高齢などを理由に相談員を辞める人がいるため新たに相談員を募集したが、30人の定員に対して6人しか集まらず、募集期間を延長しているという。
「群馬いのちの電話」には年間約2万件の相談が寄せられるが、人員不足から関東圏では唯一、24時間体制がとられていない。人手不足を補うための応募だったが、希望者が集まらない背景を探っていくと、全国の「いのちの電話」に共通の問題点が見えてくる。
「いのちの電話」は、1953年にイギリスで始まり、日本では1971年に東京で始まった歴史のある活動だ。現在、日本全国に49の「日本いのちの電話連盟」加盟センターがあり、分室を含めると約60カ所、約6500名の相談員が活動している。2015年の相談件数は70万件以上に上る。
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