総合ディスカウントストアの「ドン・キホーテ(以下、ドンキ)」といえば、高機能な日用品や安くて美味しい食品類などを店内に埋め尽くすように置いた、「圧縮陳列」と呼ばれる独特なディスプレイスタイルが印象的。そして、それらと同じくらい、コストパフォーマンス抜群なプライベートブランド「情熱価格」の存在も印象的だろう。
そんな「情熱価格」は、2021年2月に大幅なリニューアルを敢行。これまでのブランドロゴに加え、カタカナで大きく「ド」と書かれたインパクト抜群のパッケージデザインの商品も多数追加された。見た目だけでなく、“ピープルブランド(PB)”をコンセプトに、消費者からのダメ出しをサイトで募集してクオリティ改善に努めるなど、消費者とのつながりをこれまで以上に強化してきている。
そうした企業努力もあってか、2022年2月25日時点での国内で428店舗を展開するにいたっているドンキだが、なかには「ちょっとこれは……」と首をかしげざるを得ない商品もちらほらと見受けられる。そこで今回は、ドンキの「情熱価格」ブランドから“要注意なドンキ商品5つ”を選び出したので、ショッピング時の参考にしてもらいたい。
ペーパータオル(再生紙)/110円(税込、以下同)
食材の余分な水分を取るといった料理の場面から、テーブルにこぼした飲み物の清掃場面までと、幅広い用途に使えるペーパータオル。ティッシュペーパーよりも強度があるので、水分を吸ってもボロボロと崩れにくい便利なアイテムだ。しかし、「情熱価格」のペーパータオルには否定的な意見も散見される。
200枚入ったたっぷりサイズの本品は、そのボリュームに反比例する110円という安さが特徴。まとめ買いしておけば、効率的に使用することができるだろう。素材も再生紙100%なので環境保護の観点でも評価できる。
だが、他社ブランドの製品に比べると、使ったときの手触りが幾分ゴワゴワしているのが難点。それゆえ一部SNS上では「使いにくい」という声も上がっている。強度と安さは十分だが、触感の良さを求める人には向かない商品かもしれない。
五本入り ちくわ/73円
煮物などのおかずから、中にきゅうりを詰めて味わうおつまみまで、ちくわといえば日本人に長らく愛されてきた代表的な練り物食材のひとつ。多くのブランドがさまざまな工夫を凝らしたちくわを販売しているが、なんとドンキもオリジナルのちくわを販売している。
それがこの「五本入り ちくわ」。卵、小麦、乳、保存料を使用していないなど、こだわってつくられているにもかかわらず、その値段は驚きの73円。圧倒的低コストでお財布に優しい。
肝心の味は、うま味は強く美味しいのだが、魚の風味が強めなので魚介系の味が苦手な人には少し厳しいかもしれない。また、パッケージの外からはわかりにくいが、厚みがあまりなく薄いため、食べたときの満足感もイマイチと感じる人もいそうだ。悪い商品ではないが、あまり高望みはしすぎないほうがいいだろう。
やわらか穂先メンマ/321円
白いごはんのお供やラーメンのトッピングなど、柔らかく煮込まれ味の染みた穂先メンマは、食卓を彩ってくれる名脇役である。有名ブランドから出ている商品などが人気の穂先メンマだが、「情熱価格」からも「やわらか穂先メンマ」というオリジナル商品が発売されている。
「ド」の文字が印象的な本品は、「メンマ発祥の本場・台湾産大ボリューム」と書かれている通り、340gというたっぷりサイズが特徴。また、樽で発酵熟成してつくったそうで、強いこだわりが感じられる。
食べてみると、他社ブランドのものに比べると少々コリコリとした硬めの食感が気になった。また「辣油味」という割には辛味が弱く、ピリ辛の味付けを求める人には少々拍子抜けかもしれない。だが何よりも気になったのは、大量の油に漬けてあるので、よく油を切ってから食べないと、強いオイリー感で胸焼けしかねないことだろう。油っぽい食べ物が苦手な方は要注意だ。
いちごジャム/105円
朝に香り豊かないちごジャムを塗った焼きたてパンを頬張り、熱いコーヒーを一口すする……そんなルーティーンで「今日も1日がんばるぞ!」とやる気のスイッチが入るなんて人もいるだろう。だが、そんな1日のスタートダッシュを「情熱価格」の「いちごジャム」に担わせると、拍子抜けしてしまうかもしれない。
105円という安さが自慢の本品には「信州づくりの美味しさ」の文字が書かれており、一見するとフルーツ王国・信州産のいちごを使用しているように思える。だが、実際には「選りすぐりのいちご使用」とのことなので、勘違いしないよう注意が必要だ。
また、SNS上の意見には、その味は褒めつつも、“いちごの果肉がほとんど入っていない”と指摘する声もあった。実際、蓋を開けてみると果肉は割と入っていたものの、ゴロッとした果肉感は確かに少なかった。とはいえコストパフォーマンスは悪くないので、こういった実情をわかったうえで購入すれば、がっかりすることもないかもしれない。
The PLAIN TEA 薫る無糖紅茶/73円
最後は、仕事の合間に一口飲めば気分をリフレッシュしてくれる、ペットボトル飲料のジャンルから。「情熱価格」の「The PLAIN TEA 薫る無糖紅茶」は、その名の通り砂糖不使用のすっきりとした味わいが特徴の紅茶。だが、少々“すっきりしすぎ”といえるかもしれない。
というのも、飲んでみたときに感じる紅茶独特の“豊かな香り”が、他社ブランドの無糖紅茶に比べるとかなり弱いのだ。飲み終わった後にふわっと鼻から抜ける紅茶の香りはこの手の商品の魅力のひとつだが、そういった優雅な体験はあまり望めないだろう。また、後味に若干苦みがあるので、ビターな味わいが苦手な人はここも気になる可能性がある。
とはいえ、紅茶の香り自体がないわけではないし、73円という驚異的な安さを考えれば、十分にコストパフォーマンスは高いと言っていいだろう。息抜きに贅沢な香りを楽しむ人向けというより、量を気にせず紅茶をガブガブ飲みたい人に最適な商品か。
日々進化を重ねているドンキの「情熱価格」。そのほとんどはコストパフォーマンスの高い良品ばかり。今回紹介した商品も決してすべてが残念なわけではないので、実際に手に取ってみて、自分の感覚と照らし合わせてみてもいいかもしれない。
(取材・文=A4studio)
※情報は2022年3月18日時点のものです。