誰にでも機嫌のいい時と悪い時があるものだが、そこから機嫌を立て直して気分よく過ごせる人と、イライラをひきずる人がいる。そう考えると自分の機嫌を自分で取ったり、機嫌が悪くならないように過ごせる人は「幸せに暮らすスキル」が高いといえるのかもしれない。
というのも、気分よく毎日を過ごすには「前向きでいること」や「楽観的でいること」よりも「機嫌よくいること」の方が大切だ。私たちはどのように自分の機嫌を保つことができるのか?
常に機嫌がいい人は「他人に期待しない」
『機嫌のデザイン まわりに左右されないシンプルな考え方』(秋田道夫著、ダイヤモンド社刊)は、Twitterでの発信が多くの人の共感を呼んでいるプロダクトデザイナーの秋田道夫さんが自身の思考と生きる上で心にとめていることを明かす一冊。
人間関係や仕事など様々なトピックがあるなかで「いかに機嫌よくすごすか」が大きなテーマとなっているのだが、秋田さんによるといつも機嫌よくいる秘訣は「周りに期待しないこと」。期待をするということは、裏切られることもあるということ。裏切られた時、人はやはり機嫌よくはいられない、ということだ。
嫌な人、疲れる場所からはすぐに離れる
また、人はどうしても環境に左右される。誰だって不機嫌でいたいとは思わない。しかし仕事や家族との人間関係、時間のなさなど、自分を取り巻く環境が上機嫌でいることをなかなか許してくれない。そんななかでできることは、もしかしたら「嫌だな、疲れるな、と感じたらそこから離れること」くらいかもしれない。これも秋田さんが心がけていることである。
嫌なことや一緒にいて疲れる人に出会っても、多くの人はその環境に自分を適応させようとしてしまう。それは言い換えると居心地の悪さを我慢することである。場所に対しても人に対しても、嫌なものを無理に我慢する必要はないし、そこに自分を慣れさせようとする必要もない。機嫌よくいるためには自分の「居心地」により敏感になった方がいい、ということだろう。
過剰に好かれようとしない
人の悩みのほとんどは人間関係に起因する、と言われるように、機嫌よくすごせるかどうかは人間関係にかかっている。特に誰かに合わせたり、誰かに好かれようと過剰に努力することは、人間関係に疲れる原因となってしまう。
自分が好きな人に好かれたいと願うのは人間としてあたりまえの感情であり、悪いことではない。ただ、無理は禁物。疲れてまで人に好かれようとするのをやめるだけでも、毎日の機嫌は変わるはずだ。
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多忙な仕事や苦手な人、やりたくないこと、気がすすまない用事など、機嫌よく過ごすことを妨げる無数の障害のなかで、いかに気分よく過ごすか。本書では秋田さん考え方を通して、自分の機嫌を自分で整えたり、気分を害さない方法に迫っていく。
イライラしがちな人、せっかちな人、気持ちが落ち込むと引きずってしまう人、切り替えが苦手な人などなど、本書を必要としている人は多いにちがいない。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。