消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
消費者契約法をネットにも広げたいという動きは、「出会い系サイト」や一部の悪質ネット通販業者の高額請求に法律の網をかぶせて消費者を救済するために始まったというが、その網がネット広告ビジネスに打撃を与えたり、ひいてはリスクに挑戦するベンチャーの芽を摘む結果にもなりかねない。
「角をためて牛を殺す」という言葉がある。曲がっている牛の角をまっすぐに矯正しようとすると、かえって牛を死なせてしまう結果を招くという意味だ。消費者契約法改正に当たってそうした事態を招かないようにするには、消費者庁が消費者団体や消費者サイドの弁護士の意見を「はい、はい」と拝聴してそれを法令に取り入れるだけでなく、リーダーシップを持つ政治家が関与し、消費者、事業者両サイドの間のバランスがとれた、高度な政治的判断を下すことが必要になるだろう。
(文=寺尾淳/ジャーナリスト)
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