トウカイテイオーやメジロマックイーンなど、実際の競走馬を美少女キャラクター「ウマ娘」として描くキャラ育成スマホゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)が人気沸騰中だ。史実の競走馬のエピソードをもとにしつつ、当時の競馬ファンが誰しも望んだ「ifストーリー」を織り込むことで幅広い世代のファンを獲得。リリースからわずか2カ月でダウンロード数は500万人を超えた。
騎手の勝負服や競走馬の姿を巧みに織り込んだキャラクターデザインや、操作しやすいユーザインタフェースなどの完成度はもとより、厳しい勝負の世界で懸命に走り、仲間でありライバルでもあるウマ娘たちが切磋琢磨するそれぞれのキャラクターストーリーに胸を打たれる人は後を絶たない。
マニーがトレセン学園に吸い込まれている?
そんなウマ娘だが、ゲームをしている人間が必ず直面する一つの不可解な謎があるのだという。同ゲームのトレーナー(プレーヤー)でもある、FPSゲーム実況者が話す。
「このゲームはいわゆる育成ゲームです。それぞれのウマ娘の育成ストーリーを進め、皐月賞や天皇賞(春)、日本ダービーなどのレースに出走させ、スピード、スタミナ、パワー、根性、賢さの各パラメーターや『末脚』『コンセントレーション』といったスキルを習得していきます。
そこでキモとなるのが『継承』というシステムです。新たにウマ娘を育成しようとする場合、すでに育成終了したウマ娘(殿堂入りウマ娘)2人から能力やスキルを受け継ぐことができます。ちなみに継承に使用するウマ娘は、ゲーム内フレンドが育てた殿堂入りウマ娘をレンタルすることができます。
この時、ゲーム内のナビゲーターキャラで、ウマ娘たちが通うトレセン学園理事長秘書の駿川たづなにレンタル料としてマニー(ゲーム内通貨)を支払うのですが……。そのマニー、フレンドのところには一切いかず、行方がわからないのです。ちなみにマニーは、『ガチャ』で使う『ジュエル』とは違うものです。ウマ娘の『覚醒レベル強化』で10万マニーくらい軽く飛んでいくので、地味に痛いです」
ゲームの設定では、フレンドから自分の殿堂入りウマ娘をレンタルされた対価として、ゲーム内売店で利用できる「フレンドポイント」が一定数付与される。だが、マニーは一切付与されることはなく、レンタルすることで文字通りどこかに消えていく。まさかトレセン学園に吸い込まれているのか。
絶妙なゲームバランスの賜物
やはり、同ゲームをプレーしている大手ゲームメーカー関係者は次のように推測する。
「それは、たずなさんの懐に……。というのは冗談で、この種類のフレンドシステムはむやみやたらに利用できてしまうと、ゲームバランスが崩れるので、プレーヤーに一定の負荷や制限を与えるのがゲームメーカーの常識です。ウマ娘の場合は、レンタルによって貴重なマニーを荒稼ぎし、特定のプレーヤーが強くなりすぎることを避けるというバランス調整を図ろうとしているのかもしれません。ただウマ娘の場合、フレンドの利用制限も1日3回という上限があるので、そこまでする必要があるのかはわかりませんが。
もしかすると、当初はマニーを対価としてフレンドに支払う設定だったのを、開発途中でフレンドポイントに変えたのかもしれません。いずれにせよマニーはゲーム内の資源で、課金をしても手に入らない資源なので、誰の財布も痛みません。ゲーム内ストーリーの解釈としては、ウマ娘を仲介するトレセン学園に手数料として支払っていると思えばいいのではないでしょうか」
ゲーム内で不足しがちなマニーだが、Cygamesは4月26日、現在開催中の「春のGI記念プレゼント」を延長し、実際のNHKマイルカップやヴィクトリアマイルなどの開催日にマニー5万をプレゼントすることを発表した。またゴールデンウィーク期間限定キャンペーンとして、「ゴルシちゃんモード」を実装。通常より難しい育成モードをクリアすると、追加報酬として累計120万マニーを獲得できるという。果たして、トレーナーたちのマニー不足は解消するのだろうか。
(文=編集部)