今回は、そんなオフィスの複合機とはひと味ちがう「マルチコピー機」の現状を紹介しよう。
●新聞から住民票までいろいろプリント
どのコンビニチェーン店でも行えるのが「写真プリント」だ。デジタルカメラや携帯電話の記録メディアを差し込み、コピー機に取り付けられたカラーパネルを操作して写真をプリントする、という操作が簡単にできる。
居住している市区町村によっては、行政サービスである住民票の写しや印鑑証明書なども出力可能だ。もっとも、これはまだ参加している自治体がそれほど多くないため、利用可能かどうかは、各自治体のウェブサイトで確認が必要だ。また、利用に当たっては住基カードなどの事前準備が必要なため、必要となった時に使えるように準備しておくといいだろう。
各コンビニチェーン店は、さまざまな機能をマルチコピー機に搭載させ、サービスの多彩ぶりを競っている。楽譜や住宅地図、ブロマイドなどのコンテンツをはじめ、各種公演チケットや高速バスチケットなども出力できる。また、履歴書を保存しておいて、必要な時にプリントできるサービスなども出始めている。過去の新聞記事を引き出せるサービスは、自分の生まれた日の新聞を買うことができるなどと話題が広がり、人気を呼んでいる。
●USBメモリからの文書プリントやスキャンもOK
一昔前までは持ち込みメディアでプリントができるのは写真サイズのみ、という所も多かったが、今はたいていmicroSDやminiSDはもちろん、DVD、USBメモリなどを持ち込んで、内部のドキュメントが印刷できる。サービスによって対応状況は違うが、PDF形式ファイルとJPEG画像は、たいていのチェーン店でプリントできる。
また出力ではなく、入力にも利用可能だ。コピー機の読み取り部分をスキャナとして利用し、USBメモリにデータを保存してくれる。
こうした入出力サービスでポイントとなるのは、店頭コピー機はA3サイズに対応しているということだ。家庭はもちろん、個人で運営している小規模オフィスや部門ごとにプリンタやスキャナを設置しているスタイルでは、A4サイズまでしか対応していないことはよくある。たまに必要になるA3サイズのために、普段から大きな設置面積を取っているのは非効率的だ。必要な時はコンビニへ、という選択肢もあってよいのではないだろうか。
●「netprint」と「ネットワークプリントサービス」
コンビニコピー機をうまく活用している人にとっては常識ともいえる、富士ゼロックスが提供する「netprint」。PCやスマートフォンから、登録しておいたファイルをコンビニのコピー機でデータを呼び出してプリントすることができる。