そのような中で、6月に誕生したのが「Amp.」だ。うたい文句は「偏りから生まれる新ジャーナルメディア」。誕生からわずか20日で320万ページビュー(PV/ウェブへのアクセス数)を突破するなど、勢いづいているこの「Amp.」編集部の河上純二氏に、
・ほかのサイトとどこが違うのか
・なぜ一般の人が投稿できる仕組みを導入したのか
・どのように収益を上げるのか
などについて話を聞いた。
●バイラルメディア立ち上げの狙いは?
–非常に好調な滑り出しになった「Amp.」ですが、なぜバイラルメディアを立ち上げることになったのでしょうか?
河上純二氏(以下、河上) アメリカで「BuzzFeed」を筆頭に大きな潮流となってきたバイラルメディアを日本発信で展開し、ネイティブ広告【編註:広告に見えないように、通常の記事同様にした広告】に対する取り組みを実現していく狙いから立ち上げたのが「Amp.」です。
–「Amp.」の一番の目的はなんでしょうか?
河上 ウェブ市場の中心は、今やメディアそのものではなく、メディア内の一つひとつのコンテンツに移りつつあり、その中でバイラルメディアが大きく成長しています。そこで、コンテンツマーケティングとバイラルメディアの効果影響について早めに知る必要がありました。メディアの広告ビジネスが変化する中で、いわゆる「バズる」【編註:ウェブ上で大きな話題となること】という、バイラルをかける方法やコンテンツマーケティングの方法をノウハウ化していくことが大きな目的です。
–初月から非常に良い成績が出ましたが、これほどの結果は予想していましたか?
河上 伸びるかどうかはわかりませんでしたが、まったくダメか、かなりいくかのどちらかだと考えていました。結果として当初目標は上回り、やり方は間違っていなかったとほっとしているところです。
–媒体PRのための広告出稿やSEO(検索エンジンで上位に表示されるようにする試み)対策などは行いましたか?
河上 FacebookやTwitterに広告は出していますが、SEO対策などはほとんどやっていません。必要性は理解していますが、それよりもどこまでソーシャルメディア上で「いいね!」と「シェア」を稼ぐかということのほうが100倍大事です。検索流入で人を集めるサイト構造ではないからです。