そんな冷蔵庫に対するユーザーニーズの変化に合わせて大きく進化した機種が、10月にシャープから発売される。それは型番「SJ-GT47A」という冷蔵庫だ。
この機種が生まれた背景には、消費者がもっと大きな冷凍室を求めているというニーズがある。同社独自の調査によって、「たくさんの冷凍食品をまとめ買いしたい」「取り寄せた大きな冷凍食材を切らずにそのまま保存したい」などのニーズが明らかになったという。
多くの消費者が大きな冷凍室を求めるようになった主な要因として、食生活の変化、とりわけ冷凍食品の進化が挙げられる。昔の冷凍食品は、あまりおいしいものではなかったが、最近は冷凍技術の進化によって味が格段に向上した。味のみならず、「油で揚げずにレンジで温めるだけでサクサクのフライ」「解凍せずに弁当に入れるだけのおかず」など、主婦にとって便利な技術も生み出されている。このような冷凍技術の進化のおかげで、より利用価値の高まった冷凍食品をセール時などに大量に購入したいというニーズが高まっているのだ。多くのスーパーマーケットでは、冷凍食品のセールは1週間~10日に1回程度の頻度のため、従来の冷凍室のサイズでは入りきらないという家庭も多い。
リーマンショックの影響から回復した2009年以降、冷凍食品市場は急速に拡大している。スーパーなどでも冷凍食品の売り場面積を広げている店舗が増えている。これに対して、この数年、冷凍室のサイズは特に変わっていなかった。つまり、ニーズとギャップが生じていたのだ。
●ニーズに応えるかたちで大型の冷凍室に
そうしたニーズに応えるために開発されたSJ-GT47Aは、同社が「メガフリーザー」と呼ぶ大容量の冷凍室を搭載して、大量の冷凍食品を保存できるようになった。
また、冷凍ケースの中を4つのゾーンに仕切る「4切り(しきり)名人」機能を搭載することで、整理をしやすくして収納量を約20%増加させている。
さらに、鮮度低下の大きな原因である冷凍焼け(食品の表面から水分が蒸発し、脂肪が酸化すること。変色したり味が落ちたりする)を軽減する「新鮮極み冷凍」機能を付加するなど、冷凍食品の品質保持に力を入れていることがわかる。
このように見てくると、冷凍食品の進化が冷蔵庫の進化を要求したともいえる。より快適に食生活を楽しむために、このようなポイントに着目して冷蔵庫の買い替えを検討してみてはどうだろうか。
(文=一条真人/ITライター)