この迷子ひもについては、ここ数年何度か議論の対象となり、そのたびに賛否両論巻き起こっている。しかも、毎回同じような意見が集まっては、特になんの進展もないまま収束してゆく。
反対派と賛成派の主な意見は次のようなものだ。
・反対派
「虐待しているように思える」
「ペットのようで、見ていて感じ悪い」
「親が楽をするために使っているだけではないか」
「強く引っ張れば、かえってケガをする可能性もある」
・賛成派
「一瞬でも目を離すと迷子になる」
「手をつなごうとしても振り払って走りだす」
「小さな子どもが2人いる場合、2人とも手をつなぐことは不可能」
「実際に危険防止のために有効で必要」
この迷子ひもは、欧米では事故や犯罪防止として広く普及しており、日本でも急速に需要が増えているという。日本国内だけでも、迷子ひもは数百種類流通しており、利用者が多いことがわかる。
ペットみたいとの批判的な見方をやわらげるためか、リュックサックにリードが付いたタイプの商品の人気が高く、動物型や天使の羽、人気キャラクターなどをあしらったものがよく売れているという。
また、最近は「デジタルまいごひも」と呼ばれるハイテクな商品も出てきている。だがこれは、子どもが親から一定の距離まで離れるとアラームが鳴るというもので、走りだした子どもを物理的に止めることはできない。
ところで、迷子ひもは中世ヨーロッパの絵画にも描かれていることから、かなり歴史は古いといえる。服にひもを縫い付けたようなものが始まりといわれ、上流階級を中心に普及していたようだ。