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無料貸出に反対で、出版界はボイコット

電子図書館がたった12館…遅れる日本の電子書籍サービス

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 法改正により、怒涛の勢いで電子書籍への対応を進める国立国会図書館。独自の方式で電子図書館サービスを実施する一部の公共図書館。しかし、まだ出版界と図書館界との接触が密ではなく、一部の集まりはあるが、電子図書館の構想を広く検討する公の場すら設けられていない。まずは、そうした場を設置し、そのうえで利用者には有料か無料か、図書館に対してはどの程度のフィーを求めるのか、貸し出し方式はどうするかなどの議論を早急にしていくべきだ。

 出版社は、売り上げが落ちていくなかで、いつまでも図書館を敵対視している場合ではない。図書館をビジネスパートナーと意識して、BtoBのビジネスモデルを検討していくべきだ。なぜなら図書館は書店と同じように本好きが集まる場であり、その一方で書店は減り続けている。地方には書店がない自治体も増えていると聞く。そうした自治体において、図書館の役割はますます重要になってくるだろう。

 出版社の多くは東京に拠点を置くため、地方が見えづらくなるのも分かるが、売り上げ減の主要因はそうした地方書店が衰退し続けていることにもある。再販制度がある理由のひとつは“知へのアクセスに対する地域格差をなくすため”なのだから、地方に対して何らかの手当てを考えていく責任が出版社にはある。その意味でも、公共図書館との連携を真剣に考えていくべきだろう。
(文=碇 泰三)

BusinessJournal編集部

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