今夏、日本の象徴的風景であった「国会議事堂前のデモ」。安倍晋三政権が推し進める安全保障関連法案に反対する市民集会は徐々に拡大し、8月30日には約12万人(主催者発表、警視庁調べは3万人余り)を集めるまでになった。また、9月16日のデモでは、公務執行妨害容疑で13人が逮捕されるなど、その過熱ぶりも話題を呼んだ。
さらに、このデモ旋風を巻き起こした中心的存在として、「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)」という学生団体がクローズアップされたことも記憶に新しい。
しかし、「戦争反対!」「安倍は国民の声を聞け!」などの怒号が飛び交った国会議事堂のすぐ近くでは、本気なのか冗談なのか判断不能な、謎のセンスを誇る「国会みやげ」が販売されていた。今回は、その一部を紹介しよう。
まずは「アベの野菜ミックスチップス」(税込540円)だ。安倍政権が推進する経済政策「アベノミクス」をもじったことは明白だが、こちらはさつまいも、れんこん、大根、ゴーヤ、かぼちゃ、ニンジン、オクラの7種の野菜が油で揚げられ、チップス状になっている。
パッケージには「国会限定」「日本を元気に!!」「チップス食べて景気回復!!」の文字が並び、安倍首相や財務大臣の麻生太郎氏、地方創生担当大臣の石破茂氏(と思われる)などのイラストが描かれている。安倍首相はスーツ姿なのでまだわかるが、麻生氏や石破氏らは、なぜかTシャツ、短パンの運動会スタイルというシュールさだ。
麻生太郎の「マフィアかりん糖」、小泉進次郎の「幸せショコラ」
続いて、麻生氏を前面に押し出した「タロ・カポネ」(同620円)をご覧いただきたい。麻生氏といえば、2013年2月にロシアで開かれたG20(20カ国財務相・中央銀行総裁会議)に出席した際、黒のロングコートにハットを斜めにかぶったファッションが「ギャングスタイル」「マフィアみたい」と話題になり、「日本のアル・カポネ」と実在のギャングに重ね合わせる声まで上がった。
そういった世論に思い切り乗っかった「タロ・カポネ」は、パッケージに麻生氏の愛読書である『ゴルゴ13』(さいとう・たかを/リイド社)をもじって「タロー13」と書かれている上、ライフルのイラストがデカデカと描かれている。