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出版社、取次、書店は業界三者といわれ、1冊の本で一緒に飯を食っていく仲間だった。しかし、昨今では、それが困難になってきている。そのひとつの証左が、大日本印刷による書店や出版社への投資である。もう、業界三者外から資金を注入してもらわなければ、商売できなくなりつつあるのだ。それは1冊の本の利益配分にも問題があるのだろうし、その利益配分に合わせた各社の仕事の仕方にも問題があるのだろう。
出版業界でも取次会社主導の返品減少によりマージンがアップする制度など、生き残りの施策を模索している。だが、その手法もまだ手探りで、大きな成果が得られているとは聞こえてこない。「本当に本が売れない時代」は、もうそこまで来ている。年度末に売上の帳尻を合わせるような企業のお遊びなど、やっている暇はもうない。
(文=碇 泰三)
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