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また、空き家の増加や過疎地の増加などにより、集配密度が低くなることで配達効率が悪化してきていることに加え、過疎地などでの再配達は配達効率を一段と悪化させる要因になる。さらに、利用者の中には、“再配達は当たり前”という気持ちがあることも否定できないだろう。
宅配業者では、配達の希望日時指定や配達情報の提供、あるいは受取場所を自宅以外の場所(コンビニエンスストアなど)にするなどといったさまざまな工夫を行い、再配達の減少に取り組んではいるものの、宅配便の増加により、再配達がなかなか減少しないという悪循環に陥っているのが現状だ。
取扱個数の増加による事業拡大は、半面、ドライバーの労働量増加や再配達による長時間労働につながり、ドライバー不足に拍車を掛ける。そして、ドライバーが不足することで一段と労働量が増加し、長時間労働になるという“負のスパイラル”が起きている。
すでに、一部の集配密度が低い過疎地などでは、宅配業務を継続していくことが困難になっている。だが、これは過疎地だけの問題ではない。現在の状態が深刻化すれば、たとえば、自宅への配達料金が引き上げられる、すべての荷物の受け取りはコンビニで行うといった、宅配という事業自体が変化していく可能性すら出てきているのだ。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)
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