・マッチ・電池式のランプ・懐中電灯
水害では体が冷えてしまうため、暖を取るために焚火などが必要になる。そこでマッチ、ライター、チャッカマンの出番となる。電池式のランプは停電時の照明となる。懐中電灯は大振りのものよりペンライトの方が役に立つ。口にくわえながら用を足すなど、手がふさがる場面でも使えるからだ。
・乾電池、電池式の携帯充電器
携帯電話から得られる情報がなければ、被災地でただ不安におびえることとなる。家族の安否確認も取れないだろう。スマホには懐中電灯機能やラジオアプリもあり、何かと便利だ。ラジオを購入してもよいが、携帯を常にフル充電できる準備をするのもいい。
防災グッズではつい「手回し式充電器」「ソーラー式の充電器」などガジェット類が気になるが、普段からコンビニで売っているような乾電池で繰り返し充電できるモバイルバッテリーが一番早い。ものにもよるが、1回の充電で乾電池4本を消費するため、乾電池のストックは多めにしたほうがいい。
たとえば私の家には48本ストックがあり、朝から晩までスマホを使い続けても12日間は携帯電話が使える想定にしてある。乾電池も数年で使用期限が過ぎるので、普段使いをしておきながら在庫を補充したい。
・鉛筆、シャープペンシル
被災地では携帯電話を持たない人が増えるため、メモでのやりとりが増える。そんなとき筆記具が何かと便利だ。
・サランラップ
実は防災グッズの必需品だ。被災地で配られるお皿の上にかぶせることで、何度もきれいな状態でお皿を使いまわせる。阪神淡路大震災での被災者からいただいた情報だ。さらに傷口を覆って保護したり、骨折時の固定にまで使える。
・除菌ジェル、ウエットティッシュ
「手ピカジェル」のようなアルコールジェルは、傷口の消毒から普段の手洗いがわりまで緊急時に大活躍する。ウエットティッシュはお風呂に入れない状況でシャワー替わりとなる。きれい好きな人は、主に介護や医療の場で、病床から動けない方のために使われている「洗わないシャンプー」を持っておくのもいいだろう。
・バケツ
給水所などで水が配られるときに重宝する。かさばるので今まで買い揃えた防災グッズを入れる箱として使っておくと便利だ。椅子としても使えるタイプがアイリスオーヤマから出ている。置き場所がなければ折りたためるウォーターバッグもあるので確認したい。
買い集める優先順位に困ったら
以上、さまざまなものをリストアップしたが、いきなり全部揃えるのは厳しいだろう。そこでまずは、普段、ドラッグストアやスーパーでついでに買えるものから揃えることをおすすめしたい。
「手ピカジェル」やサランラップ、筆記具や生理用品の予備などはそのいい例だ。どんなものでも、ないよりはあったほうがいい。特別な非常食でなくても、普段の缶詰やレトルトカレーだって非常時には役立つ。「こんなにいるの……?」とがっくりせず、ひとつずつ揃えていけば、いつか自宅は最強の避難施設になるだろう。
(文=トイアンナ/ライター)