厳しい追求にぐうの音も出ない教育長
議場にいるほかの議員や聴衆も、そろそろウンザリしてきたに違いない。それでも藤原議員は、しつこくこう迫った。
「よその町だからと言っていられないです。武雄がすばらしいと思って感激をして、そしてCCCがすばらしい会社だと思ってCCCに指定管理をしたんだから。そのCCCがこういう選書をやったことについて、当然市教委はなぜこういうことになってしまったのか、そういう分析を当然私はするべきだと思うんですけれども。あるいは、そういう問い合わせをCCCにやったんでしょうか」
教育長は「(民間のことはわからないが)公立図書館とは何かというふうなことをきちっとすれば、その辺の問題は私は起きなかったのではないかというふうに思います」と、これまでと同じ趣旨の答弁を繰り返すのみ。
藤原議員は、「あいかわらずCCCを擁護していますね。考えられないことですね。それで、話を進めますが、CCCはこの件について記者会見をやりまして言いわけをしています」と前置きしたうえで、CCCサイドのある発言についての感想を求めるが、これについても教育長は、明快な回答をしないため、自らこう解説した始めたのである。
「これはいろいろなところで報道されておりまして、CCCの高橋聡図書館カンパニーの社長は(海老名市中央図書館の指定管理開始にあたっての)9月30日の会見で、武雄市のときはど素人で時間も予算もない特殊な状況だったと、だが今は違うんだというようなことを言っていますね。あのときはど素人だったと。皆さんはど素人を選んだんですよ」
そう言われれば、まさにぐうの音も出ない状況である。なぜならば、多賀城市がCCCを新しく建設される市立図書館の指定管理者として選定したのは、14年6月。CCCが武雄市図書館の指定管理を始めたのが13年4月だから、「ど素人」から1年しかたっていない。
「ただ、1年やってど素人から脱却したのかと。その辺はどのようにお考えですか」との質問にも、「脱却といいますか、やはりよりよい図書館を~」と、苦しまぎれの答弁を繰り返すしかない教育長の姿は、むしろ気の毒になってくるほどだが、藤原議員はそれでも追及の手をゆるめない。
「よくそうやってCCCを自分たちの責任で指定管理しておいて、しゃあしゃあと言えるなと私は思いますよ。感心しますね」と切り捨て、続けて15年10月に「第二のツタヤ図書館」としてリニューアルした海老名市中央図書館の例を持ち出してきた。