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IR収賄:逮捕の秋元司議員、検察が次に狙う“12人の議員”…反社勢力とズブズブの関係

文=編集部
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東京地検特捜部による家宅捜索を受けた秋元司議員の地元事務所(写真:毎日新聞社/アフロ)

 永田町を騒然とさせている、秋元司衆議院議員の逮捕劇。IR(統合型リゾート)事業をめぐる中国企業からの献金疑惑について東京地裁は、収賄容疑で秋元司議員を逮捕し、勾留延長も発表している。秋元議員は地検の取り調べに対して、「一切身に覚えがない。金銭は受け取っていない」と容疑を否認しているが、白須賀貴樹衆院議員、勝沼栄明前衆院議員事務所にも捜索が行われるなど、贈収賄関係者への捜査は加速している。

「秋元議員は、以前から黒い交際疑惑が囁かれていました。彼が主催したり参加しているパーティーや会合には必ずと言っていいほど、身分不明の、明らかにカタギじゃない派手な服装の人物たちが紛れ込んでいましたから。彼の交友関係は広く、資金の出所が怪しいというのは、党内では有名な話でした。だから、今回の逮捕劇も特に驚きはありません。むしろ焦点は、秋元議員と同様に“甘い汁”を吸っていた関係者が、どれほど炙り出されるかでしょう」(自民党関係者)

 そもそも秋元議員の贈収賄疑惑が永田町に流れたのは2カ月ほど前に遡る。政府肝いりのIR事業に伴うスキャンダルだけに、政治家の“格”といった見地からしても秋元議員のみならず、その背後にいる大物政治家たちの名前も取り沙汰されているのも自然な流れだろう。秋元議員の逮捕は、ひとまず地検の執念が実ったかたちだが、問題は今後どこまで捜査が“飛び火”するかだろう。

「恐らく、秋元議員を含む捜査対象に関しては、“トカゲのしっぽ切り”で幕引きとなるでしょう。秋元議員のほかに現在、12名ほどの議員の名前が上がっていますが、いずれも党内では逮捕まではいかないという見方が強いです。仮に誰かの逮捕に至ったにしても、大局に影響しない若手議員でしょう。そもそも秋元議員は取り巻きが悪すぎますし、警戒心なく派手に動きすぎました。彼や周りの議員にしても、SNSに中国企業やマカオを訪問した時の写真を上げるなど、脇が甘すぎます」(自民党議員秘書)

秋元議員の金遣いの荒さ

 複数の関係者への取材をすると、異口同音に語られるのが、秋元議員の取り巻きたちの素行の悪さだ。そんな取り巻きたちとの交友をアテンドしたのは、秋元議員の元政策秘書だという。全国紙社会部記者は、こう明かす。

「昨年12月初旬に、元政策秘書と私設秘書2名の自宅などを東京地検は家宅捜索しました。元政策秘書と秋元議員は、小林興起元衆議院議員のつながりで20年近い付き合いがあります。この元政策秘書は、過去に公職選挙法違反で逮捕歴もあります。彼は秋元議員のブレーンであり、一心同体といえる存在でした。仕事面では非常に優秀で、実質的に秋元事務所を切り盛りしていました。多方面に顔が広く、秋元議員がビジネス面で評判が高かったのは、彼の力に寄るところが大きいといえます。実際に秋元議員は、この政策秘書に法務や政策をほとんど任すほど信頼していました。だから、彼の紹介や人脈に対しては疑うことなく付き合いをしていたのです。ただ、そのなかには、今回贈賄の疑いで逮捕された中国企業『500ドットコム』の日本法人関係者を含め、詐欺師や半グレのような人物もたくさん紛れ込んでいました。秋元議員は彼らのトラブルを解決することで、多方面から献金を受けていたとみられています」

 秋元議員に対して永田町周辺からは、その金遣いの荒さを指摘する声があがっている。投資詐欺や仮想通貨関係者、企業の上役たちと夜な夜な銀座や赤坂の高級店に繰り出していたという。

「秋元議員は銀座や赤坂の決まった店に、定期的に顔を出し豪遊していました。ひとり数万円から数十万円かかる店で、普通は彼レベルではなかなか行けないですよ。昔の大物政治家のような金遣いの荒さで、『どこからこのお金が出ているのか?』と不審に思えるほど金を湯水のごとく使っていました。特にIT業界やサービス業界に対しての人脈が強く、いわゆるヒルズ族のような人物たちにも顔が効いていました。秋元議員は、お金になるなら基本的にどんな仕事でも引き受けていたので、彼らからすれば非常に使い勝手がよかったのでしょう。接待を受けることはもちろん、接待することにも非常に慣れていました。彼は秘書や取り巻きを引き連れて、そういった飲みの席で商談をまとめていましたね」(秋元議員の知人)

 政治家としての顔よりも、ビジネスパーソンとしての側面が強かったという秋元議員。反発の声もいまだに根強い“IR利権”を伴うスキャンダルだけに、自民党内からも秋元議員に対する風当たりは強くなっている。

「これからの国家事業であるIRが、政治家への賄賂が発生させやすいという構図を表面化させた格好で、党内からは秋元議員に対して怒りの声が相次いでいます。国会閉幕によってようやく『桜を見る会』の騒動が落ち着いてきたタイミングで、解散総選挙にもつながりかねない不祥事を起こしたわけですから、当然でしょう。特に二階派の議員や関係者たちは昼夜問わずマスコミから直撃を受けており、二階俊博幹事長も怒りをあらわにしています。秋元議員の政治家生命は事実上、終了したといえます。ただ、彼の場合は政治家を辞めても金儲けはできるでしょうし、むしろそちらのほうが大成しそうですね」(前出・社会部記者)

 自民党内を揺るがした秋元議員逮捕がもたらす余波は、当初の予想以上に広がりを見せそうだ。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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