10日、第24回参院選の投票が行われ、自民・公明の与党のみで改選121議席のうち過半数におよぶ計61議席以上を確保し、参院全体では憲法改正の国会発議に必要な3分の2(162議席)以上を確保する勢いだと、メディアは一斉に報じている。
一方、野党第一党の民進党は改選前の45議席を割り込む見通しで苦戦しているが、その同党現職で当選確実となった蓮舫氏(東京選挙区、当選3回目)が、同日に出演したテレビ番組で不快感を露わに激怒する場面がみられた。
東京都知事選への立候補も取り沙汰されている蓮舫氏は、『TXN選挙SP 池上彰の参院選ライブ』(テレビ東京)に中継で出演。蓮舫氏と同じく民進党現職で東京選挙区から立候補している小川敏夫氏の苦戦をめぐり、もし小川氏が次点となった場合に蓮舫氏が参院議員を辞職(小川氏が繰り上がり当選)して都知事選に立候補・当選し、同党として2人分の議席を確保する狙いなのではないかと、司会のジャーナリスト・池上氏が質問した。
すると蓮舫氏は一瞬眉間に皺を寄せて顔を横に逸らした後、「邪推です」と苛立ちを隠せない様子で一言。池上氏が「邪推というのは、どういうことでしょうか?」と畳み掛けると、蓮舫氏はすかさず真顔で「そんなことはあり得ません」とコメントした。
さらに池上氏が「なぜ、あり得ないのでしょうか?」と突っ込むと、蓮舫氏は「国政と都政でそういう計算をしたことはありません」と早口で応え、再び「都知事選には、お出にならないということでしょうか?」と聞かれると、「出ません」とのみ口にし、終始苛立った様子をみせた。
全国紙記者が語る。
「舛添要一前知事の辞任後に蓮舫氏が一時、都知事立候補の可能性を探っていたのは事実のようですが、今後の長い政治活動にとってデメリットのほうが大きいと判断した模様です。人気の高い蓮舫氏がもし都知事選に立候補すれば当選する可能性も高く、党としても期待していたようですが、都知事になると数年間は国政から離れてしまうため、“より上”を目指す蓮舫氏としては得策ではないと考えたとみられています。そんな蓮舫氏にとって、いまだに都知事選立候補の話を持ち出されるのは迷惑以外の何物でもありません。そのため、蓮舫氏は池上氏の質問に対し意識的に“怒っているポーズ”をみせたのでしょう。本当に感情的に怒ったのではなく、そこにはちゃんとした計算が働いているのです」
将来の首相候補としてその名が挙がることもある蓮舫氏だけに、常に自分がどのように見られるのかを客観視して振る舞えるクールさも兼ね備えているようだ。
(文=編集部)