民主党候補のヒラリー・クリントン氏と共和党候補のドナルド・トランプ氏の一騎討ちとなっている、アメリカ大統領選挙。いよいよ3回目のテレビ討論会が終了、11月8日の投票日に向けて熾烈な争いが繰り広げられている。
今回の大統領選は「史上最も嫌われている候補同士の戦い」ともいわれているが、支持率が均衡するなど、そのゆくえは予断を許さない状況だ。
9月に『最強の日本経済が世界を牽引する』(KADOKAWA)を上梓した国際エコノミストの長谷川慶太郎氏は、アメリカ国民の本音について、当サイトの取材に答えて次のように語っている。
「アメリカの農民には共和党支持者が多い。彼らの望みは至ってシンプルだ。『税金を減らしてほしい』『国内の農家を援助してほしい』『公共事業をちゃんとやってほしい』『“世界の警察官”なんか辞めてほしい』『外国のためにお金を使わないでほしい』……。つまり、『自国が大変な状態なのに、理想ばかり掲げて重い負担を担っている場合か』ということである」
「トランプが掲げる『強いアメリカ』というのは、『世界の秩序を守るための強さ』ではなく『自国そのものの強さ』、つまり『内向きの強さ』である。だからこそ、トランプは意外なほどの支持を集めているわけだ。
知識層や都市部の“自称リベラル”からは『差別主義者だ』『暴言や妄言が多すぎる』などという批判を受けているが、それでも支持されているのは、アメリカ国内に不満がくすぶっているからだ。バラク・オバマ政権下で、メキシコからの不法移民やイスラム国(IS)などテロ組織の脅威が増し、もはや手がつけられない状態になりつつある。それに対して、アメリカ国民の負の感情は爆発寸前であり、トランプの発言はそうした国民感情をうまく突いているといえる。
オバマ大統領が訴えた『チェンジ』は、選挙の時点では大多数の国民に受け入れられたが、すでに有権者が抱えていた不満や内向き志向は、この8年でますます強まった。このアメリカ史上初のアフリカ系大統領が掲げた理想は、政策上はほとんど実現が叶わなかったからだ」(長谷川氏)
これが、今のアメリカ人、特に農業や建設業、製造業に従事する白人たちの本音だという。また、長谷川氏は、オバマ大統領誕生前に現地取材で見た風景について、以下のように語る。
『最強の日本経済が世界を牽引する』 2017年、最強の日本経済が大きく動く! その時期を見逃すな! GDP世界ナンバー1の国の米大統領が変わることでどうなるかを、一般サラリーマンにもわかりやすく最新情報で解説。対日政策が大きく変わる2017年、日本経済が大きく動く重要懸案を投げかける。