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なぜ水着女子高生の撮影会で逮捕?雑誌グラビアは販売OK?体操着や制服は規制対象

文=編集部
なぜ水着女子高生の撮影会で逮捕?雑誌グラビアは販売OK?体操着や制服は規制対象の画像1「Thinkstock」より

 5月29日、高校2年生の女子生徒に水着や制服を着せて撮影会をしたとして、スタジオ経営者の男が逮捕されたとのニュースが流れた。

 この報道を受けてインターネット上では、「グラビアアイドルなどは18歳未満でも水着の写真撮影が行われるのに、なぜこの経営者が逮捕されるのかわからない」といった疑問の声があふれた。

 逮捕された男は、わいせつ行為などをさせたわけではない。警察によると、女子生徒とはモデルとして契約を結び、男性客が写真を撮る際に胸や下半身を強調するポーズをさせたという。

 このスタジオ経営者は、なぜ逮捕されたのか。また、グラビアアイドルなどの撮影と、この写真撮影には、どのような違いがあるのだろうか。弁護士法人ALG&Associatesの榎本啓祐弁護士に解説してもらった。

グラビア撮影と何が違うのか

 スタジオ経営者は、労働基準法に違反した疑いで逮捕された可能性があります。

 労働基準法及び年少者労働基準規則においては、18歳未満の者について、「特殊の遊興的接客業における業務」に就かせることが禁止されており、これに違反した者については、6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金の罰則が定められています。

「特殊の遊興的接客業における業務」は範囲が非常に曖昧ですが、過去の摘発事例等によれば、「客に性的な慰安歓楽を与える接客業」であれば、これに該当する可能性があると考えられます。本件は、かかる規定に違反したものとして逮捕されたことが考えられます。

 かかる規制は、接客業が対象とされており、接客行為を含まないものは対象とされておりません。

「18歳未満の水着グラビアは許されるのに、なぜ本件のスタジオ経営者が逮捕されるのか」という疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、単純なグラビア撮影は「接客業」にあたらず、この点で本件とは区別された可能性が考えられます。ただし、接客業を含まない18歳未満のグラビア撮影も、場合によっては児童ポルノ法等、別の法律の規制対象になる可能性はあります。

 なお、東京都においては7月1日に、「特定異性接客営業等の規制に関する条例」が施行されます。これは、いわゆる「JKビジネス」等について、公安委員会への届出義務や営業者の禁止行為等を定めるものです。同条例によれば、「生徒制服」や「体操着」を着て行う接客業で「性的好奇心をそそるおそれがあるもの」が規制の対象とされるなど、適用対象を厳格化、明確化しています。

 今後、このような条例が整備されることにより、JKビジネスが摘発される事例が増えることが予想されます。
(文=編集部、協力=榎本啓祐/弁護士法人ALG&Associates弁護士)

BusinessJournal編集部

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