2日、東京都議会議員選挙の投票が行われ、投票が締め切られた20時、メディアは一斉に都民ファーストの会の圧勝と、自民党の歴史的大敗を伝えた。小池百合子都知事が代表を務める都民ファーストの会が都議会第1党となり、公明党をはじめとする小池知事を支持する勢力が議席の過半数を獲得する一方、自民党は第1党の座から滑り落ち、都議会で過去最低の議席数となった。
投票締切直後、都議選の自民党責任者である元文科大臣の下村博文東京都連会長(幹事長代行)はテレビ番組『池上彰の都議選ライブ~ニッポンの大問題~』(テレビ東京)に中継で出演し、司会のジャーナリスト・池上彰氏の質問に答えた。
自民党といえば、加計学園問題に加え、稲田朋美防衛大臣が都議選の同党候補への応援演説で「防衛省・自衛隊、防衛相、自民党としてもお願いしたい」と発言し物議をかもした問題や、豊田真由子議員の秘書暴行問題、金子恵美議員の公用車私的利用問題、そして下村氏の加計学園からの政治献金問題など、スキャンダルが相次いでいる。
これに関連して、冒頭で池上氏が「公私ともに非常に大変ななかで、きちっと画面に出てきていただいてお答えいただける、ありがとうございます」と言葉を向けると、下村氏は笑顔を見せ、「都連会長として当然のことです」と返した。
まず、「今回の都議選の結果、なんでこんなことになったのだとお考えですか」との池上氏の質問に対し、下村氏は次のように敗戦の弁を述べた。
「候補者は地道に地に足をつけて活動していて、それぞれ反応も悪くなかったという話も聞いてますが、その上のほうで、国政の問題が今回の都議選に直結したということ、非常に残念です」
次に「今回、国政の何が一番、悪影響をおよぼしたとお考えですか」と聞かれ、下村氏は「いろんな発言・失言ですね。それから国会の会期末の処理等の問題、国会における論戦、それがずっと都議会選挙そのものにも、影響したものだと思います」
さらに稲田防衛大臣の失言問題が大きく影響したのではないかという問いを受け、下村氏は次のように認めた。
「そうですね。ただ本人は実際に自衛隊、防衛省にお願いするといった意味で言ったものではないと思いますが、誤解される発言であったことは間違いありません。稲田大臣もすぐ撤回されましたが、残念ながらその影響もあったと思います」
このほかにも、「ご本人の疑惑、これもマイナスに影響したのではないですか」と問われると、こう疑惑を否定した。
「ありますね。これは完全に選挙妨害だと思います。すぐに記者会見を開いて事実ではないことを表明しましたが、残念ながらそれは届いていない。逆にマイナスになった部分については、お詫び申し上げたいと思います」
来年の衆議院任期満了を控え、衆院解散・総選挙の時期も取り沙汰されるなか、自民党は一刻も早い体制立て直しに迫られている。
(文=編集部)