投開票日22日に向けて衆議院総選挙が熱を帯びているが、永田町ではすでに次の政局がどのように動くのかに注目が集まっている。注目点は、希望の党や立憲民主党の躍進で「安倍一強政治」が終わるのか、という点だ。
しかし、自公が安定多数を獲得して希望の党が失速、小池百合子代表の政治生命も事実上終わるとの見方も強い。政治ジャーナリストの山田厚俊氏は、「希望の党は、選挙後消滅した日本未来の党と同じ道をたどる可能性がある」と語り、安倍晋三首相の進退についても「2期任期満了で終えることが一番良い引き際」と言う。そこで、今秋から冬にかけての政局の見通しなどについて、山田氏に話を聞いた。
自公は安定多数獲得
――本格的に選挙戦に突入しています。現時点(取材時:10月11日)で注目度の高い、自民党・公明党、希望の党、立憲民主党の獲得議席の予想をお願いします。
山田氏(以下、山田) 今のところ、マスコミの世論調査で各党支持率を見ると、当初よりも希望の党が失速しています。希望の党が50から60、立憲民主党がそれをやや下回り、自民党・公明党の合計獲得議席は290から300議席になり、自公は安定多数を獲得するとみています。
――一時期は希望の党は100議席を超えるとの見方もありましたが、なぜ失速したのでしょうか。
山田 端的に言うと、小池氏の支持率の低下です。小池氏は、都知事選、都議選の両選挙でも女性の支持が強かった。“強い自民党に立ち向かうジャンヌダルク”のように映りました。しかし、潮目が変わったのは、小池氏が「民進党の方々を全員受け入れる気持ちはさらさらない」「排除します」と発言し、そして公認候補者に憲法改正、安全保障法制などの「踏み絵」を踏ませた結果、ジャンヌダルクから傲慢な王妃であるマリーアントワネットになってしまったのです。この傲慢な姿を見て、女性たちからは「なんだ、小池さんは」ということになり、多くの女性の怒りを買ったわけです。
この結果、これまで仮に女性の3~4割ほどから支持があったとしたら、今は2割を下回る支持率です。小池代表がもっとも強いといわれる東京25選挙区で、小選挙区で勝ち上がる希望の党候補者は1人か2人、もしかすると全敗もあり得ます。
――-東京25選挙区の小選挙区で勝てる可能性のある候補者と、そこまで敗北する理由を教えてください。