“パパ活”という言葉が世間に定着して久しい。いわゆる男女関係がベースになっている場合もあれば、それを前提にしないで男性が女性に経済的援助をする「あしながおじさん」のような関係も実際にあるそうで、「リアル育成ゲームだ」と言い切る経営者もいる。単に「この子を応援したい」という理由で、食事をおごったり小遣いを渡す“パパ”がおり、学費や生活費に充てるためにパパ活に勤しんでいる女子大生なども多いという。
それが単なるパパ活なら「時代も変わったものだ」とため息をついて終わりだが、パパ活というライトなフレーズを悪用して危険な行為を行っている人々もいる。
ある日、パパが部屋に乗り込んできて
女子大生のAさんは、何かと物入りなひとり暮らしのため、パパ活も視野に会員制クラブでキャストとしてアルバイトをしていた。都内で会社を経営しているNは、片っ端からキャストの連絡先を聞くタイプだったが、特にAさんを気に入ったようで、「社員寮の部屋が余っているから使っていいよ」と声を掛けた。Aさんは渡りに船と「ありがとうございます。でも、入ってきたりはしないでくださいよ」と言うと、Nは「合鍵とかもないから大丈夫だよ、安心して。俺は、Aちゃんを応援したいだけだから」とのこと。こんなうまい話があるはずないのだが、忙しくてなかなかバイトもできないAさんは、その話に乗り、住まわせてもらうことにした。
その部屋に住んで約2カ月が経過した頃、Aさんが部屋にいると、なんとNが勝手に部屋に入ってきた。驚いて固まっているAさんに対し、Nは「これだけしてあげてるんだから、いいだろ」と近づいてきた。Aさんは逃げながらスマホを手にすると、急にNは激高し、「お前、ほかに男がいるだろ!」とAさんからスマホを取り上げようとした。Aさんはスマホを取られないように必死に抵抗して揉み合っていたが、Aさんが胸元に痛みを感じて「痛い!」と叫んだところ、Nはようやく、ぶつくさ言いながら部屋を出て行った。Aさんが自分の胸元を確認すると、自分のスマホを取られまいと抵抗した際に、自分のスマホをぶつけたようで、大きなアザができていた。涙が出てきたが、着の身着のままで部屋を飛び出した。