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なぜ西日本の人は長寿?7年後の日本、高齢化率は3割に上昇、生産年齢人口は50%台へ低下

文=山田稔/ジャーナリスト
なぜ西日本の人は長寿?7年後の日本、高齢化率は3割に上昇、生産年齢人口は50%台へ低下の画像1「Getty Images」より

 敬老の日(9月17日)に厚生労働省が発表した「2017年高齢者調査」で、100歳以上の高齢者は全国に6万7824人に上るという衝撃的な結果が明らかになった。内訳は女性が5万9627人で、なんと全体の87.9%。男性は8197人で12.1%。圧倒的に女性のほうが長命であることがわかる。

 100歳以上の高齢者は、調査が始まった1963年には全国で153人しかいなかったが、およそ半世紀で443倍になった。1万人を超えたのが1998年なので、この20年間だけでも6.7倍の増加ぶりである。

 100歳以上の人数を都道府県別にみると、人口10万人当たりの割合でもっとも多いのは島根県で97.54人。5年連続のトップである。以下、鳥取(92.11人)、高知(91.26人)、鹿児島(91.20人)、佐賀(85.02人)と続き、西日本に多いことがわかる。

 逆に、もっとも少ないのは埼玉(32.09人)で、以下、愛知(35.01人)、千葉(37.83人)、大阪(40.29人)、神奈川(40.86人)の順だった。

 西日本は人口10万人当たりの医師数が軒並み多く(女性医師の数も多い)、医療や介護体制が充実しているため長寿化が進む一方、若者の大都市への流出で、そもそも人口に占める高齢者の割合が高い。こうした要因が重なって「西日本の100歳以上人口割合」が際立っていると考えられる。

高齢化率トップは秋田県、65歳以上人口が35万4000人

 100歳以上の人口というのは、あくまで長寿社会を象徴するデータだ。高齢者全般で見ると、どうなるのか。内閣府の「平成30年版高齢社会白書」によると、2017年10月1日現在の日本の総人口は1億2671万人。このうち65歳以上人口は3515万人で、総人口に占める割合(高齢化率)は27.7%と過去最高になった。男女別にみると、男性は1526万人、女性は1989万人で、女性が男性の1.3倍だ。

 都道府県別の高齢化率はどうなっているか。上位5県と下位5県は、以下の通り。

 

【上位】                 
(1)秋田県…35.6%(35万4000人)
(2)高知県…34.2%(24万4000人)
(3)島根県…33.6%(23万人)
(4)山口県…33.4%(46万2000人)
(5)徳島県…32.4%(24万1000人)

【下位】
(1)沖縄県…21.0%(30万3000人)
(2)東京都…23.0%(316万人)
(3)愛知県…24.6%(185万2000人)
(4)神奈川県…24.8%(227万4000人)
(5)滋賀県…25.3%(35万7000人)

 高齢化率でも西日本が上位に顔を出しているが、トップが雪国の秋田県だったのは意外だ。15年の「都道府県別生命表」(厚労省)では、秋田県は男性の平均寿命が79.51歳で全国46位、女性が86.38歳で44位という短命県とされていた。高齢化率はあくまで65歳以上人口の割合であって平均寿命とは相関関係にないとはいえ、不思議な感じが否めない。この結果から、若者が少ない歪な人口態様が浮かび上がる。

東京五輪後に高齢化問題は一段と深刻化

 問題はこれからの超高齢化社会の進行だ。白書に紹介されている国立社会保障・人口問題研究所が17年に発表した「将来推計」によると、65歳以上人口は、団塊の世代が65歳以上となった15年に3387万人となった。彼らが75歳以上となる25年には3677万人に達するという。その後も増加傾向が続き、42年に3935万人でピークを迎える。

 25年といえば、「2020年東京オリンピック・パラリンピック」からわずか5年後、今から7年後である。その時の総人口(推計)は1億2254万人で、17年よりも417万人減少する。一方で65歳以上人口は162万人増加。高齢化率は27.7%から30.0%となり、ついに30%の大台に突入するのである。

 逆に、生産年齢人口である15~64歳人口は17年の7596万人(総人口の60.0%)から、25年には7170万人へと426万人も減少し、その割合は58.5%へ低下してしまう。

 つまり、現役世代7170万人に対し65歳以上世代は3677万人だから、現役世代1.95人で65歳以上の高齢者1人を支える構図となる。遠い将来の話ではない。わずか7年後の日本の姿なのである。

 出生数は今後も減り続けると見込まれているから、将来的には総人口も生産年齢人口も減っていく。生産年齢人口は東京オリンピックから9年後の29年には6951万人と、7000万人を割り込み、65年には4529万人にまで落ち込むと推計されている。

 一方で平均寿命は50年には女性は90歳を超し、男性も84歳超となるとみられている。年金、医療費、税収、介護、食料自給率。超高齢化社会のさらなる進行で、国民に突き付けられる課題は山積している。

 この先、東京オリンピックに向けて日本中が熱狂していくとみられるが、それよりも重要で切実なテーマはいくらでもある。オリンピックブームに惑わされることなく、その後の日本の社会のあり方を真剣に議論し、対策を講じていくべきだろう。
(文=山田稔/ジャーナリスト)

山田稔/ジャーナリスト

山田稔/ジャーナリスト

1960年生まれ。長野県出身。立命館大学卒業。日刊ゲンダイ編集部長、広告局次長を経て独立。編集工房レーヴ代表。経済、社会、地方関連記事を執筆。

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