9月26日にNHKで放送された『首都圏情報ネタドリ!「“コンカフェ”に通う少女たち いま何が」』が反響を呼んでいる。コンカフェとは「メンズ・コンセプトカフェ」の略称で、店ごとに設定した独自のコンセプトのなかで男性店員が主に女性客を接客する飲食店。ソフトドリンクに加えてアルコール類を提供する店もあり、10~20代の女性がメインの客層となっている。
「カウンター席のみで客が10人も入れば満席という店が多い。ドリンク類は1000円前後のものからボトル1本数万円というものまであり、1000円くらいでお気に入りの男性店員と写真撮影したり、追加料金を払って店の外でデートできる店も。10代の女性客がお気に入りの店員の売上ランキングを上げるために競って高いボトルを入れるなど、さながら従来の男性向けクラブで繰り広げられてきた光景が存在する。
特に店舗が多い新宿・歌舞伎町は、学校や家庭に居場所がない少年少女『トー横キッズ』の集まるエリアで、未成年の少女らが“コンカフェの沼に落ちてしまう”危険性があるとして社会問題化しつつある」(週刊誌記者)
『ネタドリ!』内で取材に応じたコンカフェに通う少女たちは、
「やっぱ(店員が)仲良くしてくれるにも、金が必要になってくるから」(16歳)
「シャンパンおろしたら店員のランク上がるかなって。“高”って思ったけど、喜んでくれるからいいかなって」(16歳)
「コンカフェ行ったら(店員から)『好き』とか、お金使ったら『もう1回来てほしい』みたいな。推しに頼りにされると思って。『ウチが来た時には高いシャンパンあげるね』って言ったの。だから『やっぱ金なんだな』みたいな」(16歳)
と本音を吐露。さらに、1日で最高20万円を使ったこともあるという15歳の少女のケースに加え、コンカフェに通うお金を稼ぐためにパパ活に励む少女も少なくないという実態が紹介されていた。
風営法に基づく営業許可が必要
女性店員が男性客を接待するクラブや、男性店員が女性客を接待するホストクラブなどは、風営法で原則として18歳未満は入ることが禁止されている。だがコンカフェのなかには客への接待を行っていないとして18歳未満も入店させている店も少なくなく、法の抜け穴を指摘する声も多い。
「お気に入りの店員の“ご指名”や会話、写真撮影、さらにはクラブでいうところの同伴やアフターみたいなことまで行われており、実態としてはクラブやホストクラブと変わらない。未成年が多額を吸い取られたり依存症になってしまうリスクもあり、風営法に基づく規制強化の議論が早急に求められる」(週刊誌記者)
山岸純法律事務所の山岸純弁護士はいう。
「コンカフェであっても、『接待』が伴うのであれば風営法に基づく営業許可が必要です。では『接待』とは何かですが、法律は『歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと』としています。では『歓楽的雰囲気で客をもてなす』とは何かですが、令和4年4月1日、警察庁生活安全局は、おおむね『従業員などとの会話やサービスを期待して来る客に、その気持ちに応えるため、積極的に、客のために近くに座ったり、体をくっつけたり、話相手になったり、酒をついだり、ショーをしたり、歌ったり、踊ったり、ゲームをやったり、食べさせたりすること』と説明しています。
すなわち、コンカフェであっても、ボトルを入れたり、推しがどうのこうのという話ではなく、男性店員がこのような接客をしていれば風営法上の営業許可が必要です。まぁ、本来、客が座るような席に、男性店員がある程度長い時間、座って話をしたりしていればこの営業許可は必要でしょう。したがって、とっとと取り締まるべきです」
(文=Business Journal編集部、協力=山岸純弁護士/山岸純法律事務所代表)