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モンスター消費者とブラック企業が社員を蝕む~安価でも要求高い客、精神論の企業
社員は、もう一面では消費者でもある。消費者が、ブラック企業の商品は買わない、価格に見合ったサービスだけを要求する、といった賢い選択をすることで、劣悪な労働やサービスを生み出すブラック企業を淘汰できるとして「消費者の選択による解決」を本書は提案する。
さらに本書は「従業員の職務を客が決めるわけではないのに、日本では事業主と従業員の間で職務の内容を決めるジョブディスクリプションがないから、客の命令、要求が無限に従業員に降りかかってしまう」と説明し、ジョブディスクリプション(職務記述書)の明確化が必要だと唱えている。
「技能のレベルや範囲をきちんと規定して、これにもとづいた職務を実行するのが『仕事』なんだということをはっきりさせた上で、仕事の仕方にもサービスの内容にも国家や業界は、ちゃんと責任を持たなくてはいけない」と本書は訴える。
今のままでは、モンスター消費者とブラック企業が日本社会を食いつぶしていきかねないのだ。
(文=和田実)
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