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●高騰する放映権料
FIFAの商業主義路線は、2002年の日韓W杯から一気に加速している。試合の放映権料の高騰がその最たる例だ。放映権料は、日本を例に説明すると、日本のテレビ各局から代理店を通じてFIFAに入る。日本がW杯に初出場した1998年のフランス大会では、テレビ各局からFIFAに計6億円の放映権料が支払われた。それが、日韓大会で70億円と高騰し、今回のブラジル大会では400億円にも上ったとささやかれている。
FIFAが放映権料を釣り上げている背景には、五輪を主催するIOC(国際オリンピック委員会)の存在が指摘されている。
「今年のソチ五輪(冬季)と2年後のリオデジャネイロ五輪(夏季)の放映権料は、合計で推定300億円台後半ですが、これまで夏季冬季五輪のほうが高かった放映権料が、今回のブラジルW杯で完全に逆転するといわれています。FIFAはIOCをライバル視しているそうで、『サッカーこそが世界ナンバーワンスポーツ。だから、放映権料も世界一で当然』と考えているようです」(テレビ関係者)
こうしたFIFAの収入増に応じて、優勝賞金などとして各国代表チームに還元される金額も増えているので、収入増分のすべてがFIFAの利益になっているわけではないが、世界中が純粋にW杯に熱狂する裏で、その運営主体の金儲けが横行しているという現実には、複雑な感情を抱かざるを得ない。
(文=編集部)
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