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加熱食品中のアクリルアミド、発がん性と遺伝毒性認められる 即席めん、パン、菓子…

文=小倉正行/国会議員政策秘書、ライター
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(1)馬鈴薯の加工食品、調理食品
 ポテトフライ、ポテト系スナック菓子(ポテトチップスや成型ポテトスナック)

(2)穀類の加工食品、調理食品
 即席めん類、パン類(トーストなどの調理品を含む)、オートミール、パン粉、麩、朝食シリアル、ビスケット類、焼き菓子、米菓、油菓子、和菓子(焼きもの)、洋生菓子、コーン系スナック菓子、小麦系スナック菓子など(主に120度以上の加工を施したもの)

 また、欧州委員会(EU)は12年、主要品目にアクリルアミドの指標値(13年改定)を導入し、その指標値を超える場合は事業者調査をするとしているが、この指標値から品目ごとのアクリルアミドの濃度がわかる。

【品目ごとのアクリルアミドの指標値(単位:マイクロg/kg)】
 調理済みフレンチフライポテト(600)、ポテトチップス(1000)、馬鈴薯を主原料とするクラッカー(1000)、小麦を主原料とするソフトブレッド(80)、小麦を主原料とするソフトブレッド以外のソフトブレッド(150)、朝食用シリアル(400〜200)、ビスケット、ウエハース(500)、クラッカー(馬鈴薯を主原料とするクラッカーを除く)(500)、焙煎コーヒー(450)、インスタント(ソリュブル)コーヒー(900)、乳幼児用ビスケット及びラスク(200)、乳幼児用穀類加工品(ビスケット及びラスクを除く)(50)

 このように指標値の高い食品は、アクリルアミドの含有量が高くなる食品である。

 アクリルアミドは、加熱温度によって生成量が異なる。フレンチフライポテトをオーブンで加熱した場合、120度以下であれば500マイクロg/kg以下であるが、220度で加熱すると2500マイクロg/kgまでの高濃度のアクリルアミドが生成された。また、冷凍フレンチフライの揚げ色とアクリルアミド濃度を比較した試験(農林水産省)では、揚げ色がつかないフレンチフライが147マイクロg/kgであったのに対して、全体に揚げ色がついたフレンチフライでは、2683マイクロg/kgもの濃度になっていた。

 日本ではアクリルアミドに対する取り組みについて、農林水産省が指針を発表しているものの、食品業界の自主的な判断に委ねられており、有効な規制措置はとられていない。明確に遺伝毒性と発がん性が認められているだけに、日本としての食品の残留実態調査と規制値の設定、さらにそれに基づく規制が必要である。現状では消費者は、自らの健康を守るために、アクリルアミド濃度の低い食品を選択して摂取するしかないといえる。
(文=小倉正行/国会議員政策秘書、ライター)

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