1位は米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏。資産総額は昨年より32億ドル増えて792億ドル(約9兆5040億円)。2年連続で世界一の大富豪となった。2位はメキシコで通信会社などを経営するカルロス・スリム氏の771億ドル(約9兆2520億円)。
日本のトップは、カジュアル衣料ユニクロを展開するファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏。昨年より23億ドル増の202億ドル(約2兆4240億円)で41位となった。昨年日本人トップだったソフトバンク社長の孫正義氏は141億ドル(約1兆6920億円)で42位から75位に後退した。
世界のビリオネアは、1826人で過去最多。今回、新たに290人が仲間入りした。米国をはじめ世界的な株高傾向で富豪が保有している株式の評価額が膨らんでいるためだ。富裕層に富の集中が加速している傾向が鮮明となった。日本人のビリオネアは24人と、全体の1%強にとどまる少数派だ。
現役の大学教授が大富豪に
日本からの新顔はロボットベンチャー、サイバーダインのCEO(最高経営責任者)を務める筑波大学大学院教授の山海嘉之氏。資産総額11億ドル(約1320億円)で世界の大富豪に名を連ねた。
筑波大学大学院システム情報工学研究科の教授である山海氏は04年、大学ベンチャーとしてサイバーダインを設立。ロボットスーツ「HAL」を開発した。HALは脳卒中や背椎損傷で歩くことが困難になった人々の機能回復トレーニングなどに使われる。
日本では医療機器として認可されていないために福祉機器扱いだが、すでに500体が全国160の医療機関などに導入されている。ドイツでは医療機器として正式に承認され、本格的な治療も始まっている。さらに、脳科学や神経学、心理学などさまざまな領域に合わせて、人の意思通りに動くロボットスーツをつくり上げ、それが評価されてサイバーダインは14年3月に東証マザーズに上場した。
ただ、業務的には厳しい状況が続いている。15年3月期の売上高は7億5000万円、当期損益は5億7600万円の赤字となる見込みだ。数字だけを見れば破綻寸前の小企業並みだが、投資家の評価は高い。株価は昨年7月に1万4620円の上場来高値をつけ、同年8月に1株を5株に分割した後の高値は8月1日の4265円となった。