ピークを過ぎたとはいえ、まだこれから部屋を探す人も多く、5月のゴールデンウィークまでは、賃貸住宅市場にとっては、それなりに慌ただしい日々が続きます。
さて、賃貸住宅を探す際、今はまずインターネットで探すのが主流で、特に20~30代では、ほとんどの人がネットで検索しているといわれています。その後、気になる物件を扱っている不動産業者へ連絡を入れたり現地を訪れたりと、バーチャルからリアルな行動へと移っていきます。
今回は、繁忙期後の不動産情報に関する気を付けるべき点をご紹介します。不動産業者は、繁忙期に物件情報を大量に取り扱うため、ネットに掲載した情報の一部を忙しさのあまり“うっかり”更新し忘れてしまっていることもあるものです。不動産関係の人に再確認していただきたい一方、賃貸住宅を探している人も気を付けなければなりません。
例えば、入居者が決まってしまった物件情報をそのまま掲載し続けてしまうと、故意でなくても「おとり広告」になってしまいます。意図的に、ありもしない魅力的な物件を掲載して問い合わせや来訪を促そうとするのは、もちろん悪意のおとり広告なので論外ですが、うっかりでもおとり広告となるのが重要なポイントです。
不動産業者はほとんどが直接、または加盟する協会を経由して不動産公正取引協議会(以下、公取協)という組織に加盟しています。この公取協が、不動産業界の自主規制ルール(公正競争規約)を運用していますが、この自主規制では「公取協がおとり広告と認めた場合、違反内容によって厳重警告や違約金が課される」とされています。また内容によっては、加盟する協会からの処分や不動産情報サイトに掲載できなくなるなどの措置があるなど、かなり厳しく規制されています。
実際、今までに多くの不動産業者が公取協からルール違反を指摘され、違約金を課されているという話を聞きます。これだけ厳しい措置があるということは、逆に、それだけおとり広告が多いということでもあります。