新型コロナウイルスの感染対策として約3年間継続してきたマスク着用のルールが、3月13日から緩和された。5月8日には感染法上の「5類」に移行し、コロナにおびえる日々から着実に離脱しようとしている。
そんななか、今後のワクチン接種についてどうするべきか、悩んでいる方も多いだろう。日本は新型コロナワクチン接種率が世界トップだ。1人あたりの平均ワクチン接種回数は3回以上だが、皮肉なことに日本は感染者数も3000万人を超え、累積死者数も7万人を超えた。
感染者数に関しては、中国のようにPCR検査を制限している国、イギリスのように検査料がかかる国(簡易的な抗原検査が9ポンド)もあるので、日本は検査を希望する人に対してしっかり検査をしているということだ。おそらく、しっかりと検査をすれば世界最多の感染国は中国だろう。
しかし、これだけ死者数が増えているので、「重症化を防ぐ」といわれてきた新型コロナワクチンが「果たしてどの低下効果があるのか」という疑問を改めて抱かざるをえない。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の1月1日の報道によると、なんと「北米などで流行中のオミクロン株亜種XBBは、新型コロナワクチン接種者の方がかかりやすい」という。同紙によると、新型コロナワクチンを3回以上接種した人は、未接種者の3.4倍、2回目接種者の2.6倍感染率が高くなるという。いったいどういうことなのか。
連続接種は、かえって感染しやすくなる?
新型コロナワクチンは、当初は多くの人々の重症化を防ぎ、多くの人命を救ってきたことは否めないが、連続接種については名だたる研究者・医師たちが警鐘を鳴らしている。
新潟大学名誉教授の岡田正彦氏の研究によると、「新型コロナワクチンは免疫力を低下させる」という。
「新型コロナワクチン接種により、免疫力が低下する。しかも、免疫力低下は一時的ではなく、数十年単位と長期にわたるので、接種回数を増やすのは慎重になるべき」(岡田正彦氏)
また、名古屋大学名誉教授の小島勢二氏は、たび重なるワクチン接種により、逆に新型コロナに感染しやすくなるリスクを懸念している。
「アメリカの『疾病対策予防センター』の研究者が33万人を対象に調査したところ、未接種、2回、3回、4回とワクチンの接種回数が増えると、感染率が29%、33%、38%、41%と高くなる」(小島勢二氏)
そもそも、「変異株用ワクチンはあまり効果が無い」という説もある。
米医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載された論文によると、「変異株に対応した新型コロナワクチンを接種しても、初回接種した新型コロナワクチンに対応した中和抗体だけが増加し、変異株に対する中和抗体は十分につくられない」という。同様の説は科学誌「nature」、医学誌「セル」にも掲載された。
さらに、たび重なる新型コロナワクチン接種はADE(Antibody-dependent enhancement/抗体依存性感染増強)を招く、という指摘もある。ADEとは、ウイルス感染やワクチン接種によってつくられた抗体によって、かえって感染しやすくなる・重症化しやすくなるという現象だ。同じコロナウイルスに属するSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)のワクチンは、動物実験の段階でADEが起きて、人間でも同じ現象が起きるという懸念から実用化に至らなかった。
つまり、たび重なる新型コロナワクチン接種は、免疫力低下が長期間続く、変異株用ワクチンを接種しても大した効果がない、ADEにより抗体の効果が低下する、ということだ。
ただし、このような現象は、新型コロナに罹患しても起きるとされる。免疫力が低下し、長期にわたる後遺症が残ることもあり、一度感染しても抗体は時間と共に減る・変異株に自然感染の抗体は効かないことがあるので再感染する。では、どうすればよいのか。
東京理科大学名誉教授・村上康文氏「新型コロナウイルスは人工ウイルス」
筆者は東京理科大学名誉教授の村上康文氏(専門は免疫学と分子腫瘍学)のオンラインセミナーを取材。そこで同氏は驚くべき説を主張した。
「新型コロナウイルスは人工ウイルスだと思います。コウモリに感染するウイルスを実験室で人間に感染するようにつくり変えました。新型コロナウイルスは人工的な遺伝子配列をしています」(村上康文氏)
人工ウイルスであるとすれば一層危険なので、できる限りの感染対策をすべきではないか。
「理化学研究所の研究データによると、日本では8割の人が従来のコロナウイルスに対する抗体を所有して、実は初期の武漢型は(日本人にとっては)そこまで脅威ではありませんでした。ですから、少なくとも全員が新型コロナワクチンを接種する必要はなかったと思います」(同)
同氏は「日本の感染対策は間違っていた」と主張する。
「ファイザー、モデルナなどmRNAの新型コロナワクチンを打つと、新型コロナウイルスは抗体を免れる方向に変異していきます。新型コロナのようなRNAウイルスは変異しやすいのです。Nature-Ecology-and-Evolutionによると、変異は弱毒化するどころか、毒性が高まる、という数理モデルもあります」(同)
さらに、新型コロナワクチンにはADE(抗体依存性感染増強)のリスクがあるという。
「新型コロナワクチンに限ることではありませんが、ワクチンはADEを引き起こします。接種した直後は感染防止効果があっても、長期的には感染しやすく、重症化しやすくなる場合もあります。イギリス公衆衛生庁の2021年の抗体陽性者を対象にした調査によると、抗体陽性者が増えても、感染者はかえって増えていました」(同)
イギリスのデータが示すことは、新型コロナウイルス感染症において、集団免疫(自然感染、ワクチン接種いずれも)の獲得が困難だということだろう。
同氏によると、ファイザー、モデルナのようなmRNAワクチンの最大の問題点は、“異物”であるスパイクタンパク質を細胞内で生産し、免疫システムが正常な細胞を攻撃してしまう点だという。
「mRNAワクチンは、細胞内でウイルス抗原(スパイクタンパク質)を産生します。スパイクタンパク質を生産する細胞は、免疫システムに“感染細胞”として認識されます。そして、免疫システムがこの細胞を正常細胞であるにもかかわらず“感染細胞”と判断し、攻撃してしまいます。だから、副反応が起きます。このような仕組みのワクチンは、これまで採用されたことはなく、今回が初めてです。この点でmRNA型ワクチンは、ワクチンと呼ぶより、遺伝子を細胞内に運び込む“mRNA医薬品”と呼ぶべきだと考えます」(同)
村上氏は2020年、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質でマウス20匹を対象に実験を行ったところ、同タンパク質の接種により5回目以降でマウスが次々に死亡していく現象が観察されたという。
「動物実験がそのまま人間にあてはまるわけではありませんが、このデータから考えても十分に気をつけなければなりません。学術誌『サイエンス』(2022年7月15日号)に掲載された論文によると、mRNAワクチンを3回接種すると、オミクロンに感染しても免疫ができにくくなるとのことです。また、4回目接種から炎症を抑制する抗体が増えます。しかし、ウイルスを撃退するには炎症が必要なのです。新型コロナワクチンは免疫抑制効果があるのです」(同)
では、新型コロナに罹患しても、新型コロナワクチンを接種しても免疫が抑制されるなら、どうすれば良いのか。
「1年くらいしたら、新型コロナワクチン免疫抑制効果はなくなります。免疫力を上げていくには適度な運動、太陽光を適切に浴びること、ビタミンD接種も有効ですね。コビナックス(同氏が開発したニワトリのmurak抗体を配合した口内スプレー)もお勧めで、一部の代議士も処方しています」(同)
新型コロナが変異した原因は?
一方で、新型コロナ研究の第一人者で東京大学医科科学研究所の科学者、佐藤佳氏の研究によると、「新型コロナが変異した原因は、必ずしも大規模な新型コロナワクチン接種が原因ではない」という。
同氏がメディアで回答したインタビューによると、「ワクチン接種でも自然感染でもウイルスは進化(変異)してしまう。しかし、自然感染の場合、重症化や死亡リスクが伴う。どちらが合理的かは、言うまでもない」という。
現在の日本でとれる感染対策の選択肢としては、「mRNAワクチンを接種する」「ワクチンを接種せず感染対策をする」、そして去年よりmRNAワクチンでない従来のワクチン製造方法でつくられた不活化ワクチンのノババックスワクチンも接種可能になった。筆者はノババックスを2回接種し、来月に3回目を接種する予定だが、現状、副反応はない。
周りに流されやすい日本人だが、「新型コロナを何回打つか」「そもそも打たないのか」「打つとすれば、どのワクチンを打つか」といった判断は、自分自身の身体の状態を考えて熟慮しよう。
(文=深月ユリア/ジャーナリスト:外部執筆者)