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ダマされないための「儲けのカラクリ」 第14回

印税は紙の7倍!? Kindleネット出版をやってみた

文=坂口孝則/未来調達研究所取締役

 そして価格設定。迷ってもしかたないので、2.99ドルにしてみた(とくに意味はない)。保存すると、受付終了。あまりに簡単なので驚いてしまった。48時間以内に審査結果が届くという。

 この記事は宣伝ではないし、その電子書籍を売りたいわけではないので、タイトルはあえて書かない。しかし、48時間もかからずに、いきなりKindleストア新着情報をつぶやくtwitterアカウント(@ kindlestorenew)から、私の新刊発売連絡が流れてきた。

 私のKindleデビューは、あっさりと終了した。私の著作は、すぐさまamazonから検索できる状態となった。おそらく、初回は多少時間がかかるかもしれないけれど、誰でもこれで次々に電子出版ができるだろう。

●電子出版著者の見果てぬ夢

 Kindle上でも電子書籍出版ノウハウが売られている。そのうち、原稿執筆時点でもっとも売れている『電子書籍を無名でも100万部売る方法』(ジョン・ロック)を読んだ。なるほど、電子書籍であっても100万部を売ることができれば一人の人生を激変させるに十分だ。同書には、一個人が電子書籍を書いて売るノウハウが披瀝されている。

 素人であっても、すぐれた才能を持った人はいる。既存の出版社がその才能を認めなければ埋もれてしまう。しかし、これからはまず電子出版で大手プラットフォームを使うことで実力試しができるだろう。また、もしかすると、これからは特ダネをつかんだ人は、週刊誌やテレビに売り込むよりも、自分で電子出版したほうが儲かる可能性もある。もちろん、公序良俗に反する内容はご法度だろうけれど、一人ひとりの書き手に可能性が広がったのは間違いない。

 ところで私は既存の出版社や編集者の役目が終わったとは思っていない。著者が好き勝手に書ける時代だからこそ、逆説的に、しっかりとしたコンテンツに導く知見なり構成力が必要だろう。繰り返すと、電子出版が新人発掘の場になったあと、さらに良い書き手になるためには、一流の編集者との関わりが欠かせない。

 ちなみに、私が自らアップロードした電子書籍はどうなったのだろうか? 原稿執筆時点で一日たった。うお、何の宣伝もしていないのに数冊は売れている。まだ、私の懐には数百円しか入らない。出版未経験者は、数百円であっても何にも代えがたい喜びになるだろう。

 ただ、これ以上の電子書籍を売るためには、個人で宣伝もしなければいけない。しかも、編集者からのアドバイスもない。「Kindle」の「焚きつける」って意味どおり、儲ける夢は見ることができたけれど、夢を実現化するためには、ハードルを越える必要がありそうだ。

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坂口孝則/未来調達研究所取締役

坂口孝則/未来調達研究所取締役

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の専門家。サプライチェーン分野の知識を使い、ものづくり領域の先端解説などを行う。
未来調達研究所

Twitter:@earthcream

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